TB-7 フォージド アイアンを西川みさとが試打「慣れるまで時間がかかる」
フォーティーン「TB-7 フォージド アイアン」の評価は!?
シャープな見た目とやさしい性能を併せ持つフォーティーン「TB」シリーズ。2作目となる「TB-7 フォージド アイアン」は、前作「TB-5」よりも形状をコンパクトにシェイプし、バックフェースの肉厚変化を強調させることで、打感をより向上させたという。そんな新世代の軟鉄鍛造モデルを、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずはHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。
「全体的にはややハード・上級者向き」
―率直な印象は?
「アドレスして上から見た顔の印象が、とても小ぶりで、私にはハードに感じられます。実際に打ってみると、つかまりは程よく、無理なく一定の高さが出て、難しくないことは分かるのですが、それでも最初のシビアな印象が強く、上級者向きというイメージは最後まで消えませんでした」
―そこまでハード…?
「実際はそこまでハードではないのですが、このシャープな雰囲気の見た目だと、上級者しか買い求めないのではないかと思えてしまいます。見た目と性能にギャップがあるコンセプトは十分に感じられるものの、アベレージゴルファーが扱うのはなかなか難しいのではないかと思います」
―飛距離性能は?
「ストロングロフト(7Iでロフト角30度)設定になっていますが、それでもHS30m/s台のゴルファーからすると、特筆して飛ぶ感じでもありません。寛容性が高く、ミスヒットには強いと思うのですが、それ以上に見た目の印象が強く、ぶっ飛ぶというイメージまでは持てませんでした。また、フォーティーンのアイアンと聞くと、どうしても玄人好みで、こだわりのある中上級者向けのイメージを抱いてしまいます。メーカー側は“新世代の軟鉄鍛造”とうたっているので、印象を切り替えれば良い話なのですが…(笑)」
―打感のフィーリングは?
「かなり打感はやわらかいです。軟鉄鍛造の特徴といえる、フェースにボールが食いつく感触をしっかり味わえます。ただ、イマドキの複合素材を使用した飛び系モデルに慣れているせいか、いい当たりで飛んだとしても、もうひとつ足りないような気がしてしまう。実際には飛んでいても、感覚とのズレで違和感を覚えてしまい、慣れるまで時間がかかるように感じました」
―慣れるまで時間がかかる…?
「打感がやわらかすぎて、飛んでいる感じが分かりやすく伝わってこない。もう少し弾き感があったほうが飛んでいる感覚が持てるので、実際の飛距離と感覚が合致するのでは、と思います。そういう意味で、イメージと距離感を合わせる時間が必要なのではないかと」
―どのような人向き?
「上級者向きですね。カチンと弾く打感が苦手で、軟鉄鍛造のやわらかいフィーリングを求めている人。その上で、飛距離も欲しいと思っているゴルファー。打感の秀逸さと飛距離性能を両立させたいというコンセプト通りのクラブに仕上がっているので、どちらの要素にも妥協しない、こだわりを持った上級者におすすめしたいと思います」
シビアではあるもののオール4【総合評価4.0点】
【飛距離】4.0
【打 感】4.0
【寛容性】4.0
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.0
・ロフト角:30度(7I)
・使用シャフト:NSプロ モーダス3 ツアー105(硬さS)
・使用ボール:川口グリーンゴルフ専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、川口グリーンゴルフ
■ 西川みさと プロフィール
1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。専大時代の1998年に「日本女子学生選手権」で優勝。大山志保・古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場した。2002年のプロテスト合格後は、飛距離こそ出ないものの、ショートウッドを巧みに使う技巧派として、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで人気を集めた。