TB-7 フォージド アイアンを筒康博が試打「形状の割に飛び要素が強い」
フォーティーン「TB-7 フォージド アイアン」の評価は！？
シャープな見た目とやさしい性能を併せ持つフォーティーン「TB」シリーズ。2作目となる「TB-7 フォージド アイアン」は、前作「TB-5」よりも形状をコンパクトにシェイプし、バックフェースの肉厚変化を強調させることで、打感をより向上させたという。そんな新世代の軟鉄鍛造モデルを、ヘッドスピード（以下HS）の異なる有識者3人が採点。ご意見番クラブフィッター・筒康博の評価は！？
「歴の長いゴルファーほど衝撃を受ける」
―率直な印象は？
「フォーティーンは最近、ウェッジもアイアンもヒット作を連発していますが、この『TB-7』も、評価に値する完成度の高さを実感できます。特に打感が圧倒的にやわらかいのに、複合素材でなくてもここまで球を上げやすく、飛距離性能も高くてスイートエリアが広い。単一素材フォージド(鍛造)の可能性を広げたという意味で、大きな衝撃を受けました」
―大きな衝撃…？
「はい。これまでコンパクトなアイアンは、決まって上級者向きのように定着していたイメージを払拭してくれる革新性を感じます。私たちがゴルフを始めた頃は、こういう形状のモデルは難しく、格好いいから購入したものの、一生懸命練習場に通わないといけなかったのですが、この『TB-7』はその必要がない。見た目の格好良さから入っても、問題なく飛ばせる。ゴルフ歴が長ければ長いほど、大きな衝撃を受けるモデルだと思います」
―打感はどのくらいやわらかい？
「腕前やスイングタイプに関係なく、誰が打っても一発で実感できるやわらかさ。上下が肉厚になった『シアターブレード』構造は、中間部の薄肉部でヒットしても、嫌な振動が起きるなどの打感の悪さにつながらない。おそらくフェース上下のギリギリのラインで精巧に肉厚を設計しているため、マイナスな要素を一切感じさせない仕上がりになっているのだと思います」
―こういうモデルはオンリーワン？
「そうですね。地クラブでは似たようなモデルはあったかもしれませんが、フォーティーンがこのコンセプトを立ち上げたという点に、大きな意味があると思います。軟鉄鍛造でもこのハイパフォーマンスが出せるとなると、それ以上は必要ないと感じるゴルファーは多いのではないでしょうか」
―気になる点は？
「私はゴルフ歴が長く、古いゴルファーなので、この形状だと飛距離よりも高さや左右の打ち分けができる操作性を求めてしまいます。この形状にしては、やや飛び要素が強過ぎる。打感が特別やわらかい部分も、メリットに感じる半面、打点を外したときのフィードバックがちょっと弱い。海外ブランドのプロモデルと比べると、飛距離重視の特性をやや強めに感じてしまう。とにかくストレートボールで遠くまで飛ばすという面よりは、もう少し球筋やライに応じて柔軟に対応できる部分を期待していました」
―どのような人向き？
「私のような中年よりも、若い年齢層のほうが抵抗なく受け入れやすい気がします。新規ゴルファーで、見た目の格好良さで選びたい人向き。あとは、多くのゴルフ業界人に、もっとこのモデルを打ってもらいたい。小ぶりな軟鉄鍛造＝上級者向きという決めつけはNGというメッセージを、より世の中に発信する必要があるかと思います」
操作性以外すべて4.5点のハイスコア【総合評価4.3点】
【飛距離】4.5
【打 感】4.5
【寛容性】4.5
【操作性】3.5
【構えやすさ】4.5
・ロフト角：30度(7I)
・使用シャフト：NSプロ モーダス3 ツアー105(硬さS)
・使用ボール：川口グリーンゴルフ専用レンジボール
取材協力／トラックマンジャパン株式会社、川口グリーンゴルフ
■ 筒 康博（つつ・やすひろ） プロフィール
スイングとギアの両面から計測＆解析を生かし、プロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイス。インドアゴルフ「ゴルフレンジKz亀戸店」のヘッドティーチャーを務める傍ら、様々なメディアにも出演中。大人のゴルフ選びフィッティングWEBマガジン「FITTING」編集長として自ら取材も行う。