TRI-HOT 5K パターを筒康博が試打「マッスルと同じ考え方」
オデッセイ「TRI-HOT 5K パター」の評価は!?
ブレード型ながら、5K(5000g・cm2)という大型マレット並みの高い慣性モーメントを誇るオデッセイ「TRI-HOT 5K パター」。ヘッド前方に全体の90%近い重量を配し、トウやヒール側でミスヒットした際にもブレない安定感をもたらすという。そんな新たな概念を構築するシリーズを有識者3人が採点。ご意見番クラブフィッター・筒康博の評価は!?
「操作性の高さを実感できる代表的モデル」
―率直な印象は?
「“ブレードにこそ浅重心が合う”、というひと言に尽きます。ヘッド前方の黒い部分以外は、ほとんど重量を感じません。本当に板状のものを打っている感覚で、ストローク中は後方の重みの感覚が一切ありませんでした。まさに“THE・ブレード”という、操作性の高さを実感できる代表的モデルです」
―“THE・ブレード”…?
「はい。深重心パターや重いヘッドのマレット形状を使っている方からすると、真逆のフィーリングなので、好き嫌いは明確に分かれると思います。私のようにゴルフ歴が30年を超えるベテランからすると、懐かしく感じる形状ですが、ここ数年でゴルフを始められた方にとっては、ちょっと古臭いというか、クラシカル過ぎると感じる部分は大きいと思います」
―転がりの印象は?
「自分の感覚以上に、パターが勝手にボールを転がしてくれる要素はありません。フィーリングに見合った分だけ転がる。それがブレード型の特徴ともいえますし、浅い重心設計はそのために不可欠な要素。良くも悪くも、形状や設計はコンセプト通りに忠実につくられていると思います。古くからブレードパターを使っている人からすると、ヘッド重量があることで、やや転がりは感じられるとは思いますが…」
―ブレにくさについては?
「最新のドライバーもそうですが、今ほとんどのパターがブレの少なさを追求していると思われます。逆に、ブレやすいヘッドを探すことが難しいほど。正直、現在のパター選びでは、左右のブレよりも、距離感のつくり方のほうに比重を置くべきでしょう」
―「TRI-HOT 5K」はどのような距離感のつくり方?
「距離感のつくり方は、大別してふたつに分けられます。ひとつは、ボールが伸びるように転がるパターで、そーっとやさしく打っていくタイプ。もうひとつが、しっかり打っていけるパターで、イメージよりも転がり過ぎないタイプ。『TRI-HOT 5K』は後者なので、比較的、強気に打っていけるモデルという印象です」
―どのような人向き?
「スコア90を切るのであれば、一度はこういうモデルを使わないといけないと思わせるモデルです。アイアンでいえば、今どきのマッスルバックアイアンと同じ考え方。数十年前のモデルと比べると、やさしく転がせるようになっているし、寛容性も上がっています。狙った通りのストロークができているなら、最適な相棒になってくれるパターだと思います」
打感と操作性、2項目で満点◎【総合評価4.4点】
【転がり】3.5
【打 感】5.0
【寛容性】4.5
【操作性】5.0
【構えやすさ】4.0
・ONE /ロフト角:3度 ライ角:70度 長さ:34インチ
・TWO /ロフト角:3度 ライ角:70度 長さ:34インチ
・THREE /ロフト角:3度 ライ角:70度 長さ:34インチ
・DOUBLE WIDE /ロフト角:3度 ライ角:70度 長さ:34インチ
・TRIPLE WIDE /ロフト角:3度 ライ角:70度 長さ:34インチ
・使用ボール:ブリヂストン ツアーB X
取材協力/トラックマンジャパン株式会社
■ 筒 康博(つつ・やすひろ) プロフィール
スイングとギアの両面から計測&解析を生かし、プロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイス。インドアゴルフ「ゴルフレンジKz亀戸店」のヘッドティーチャーを務める傍ら、様々なメディアにも出演中。大人のゴルフ選びフィッティングWEBマガジン「FITTING」編集長として自ら取材も行う。