ホワイト・ホット OG パターを大本研太郎が試打「左に流れる人向き」
オデッセイ「ホワイト・ホット OG パター」の評価は!?
ボールのカバーと同じ素材を採用したホワイト・ホットインサートは、2000年の誕生から今なおツアーで高い人気を誇る。20周年を記念して復刻した「OG(Old Gangster)」シリーズは、すでに30機種以上がラインアップ。今回は、22年に追加されたNEWモデルを有識者3人が採点する。多くのプロを指導するパッティングコーチ・大本研太郎の評価は!?
「主張の強い黒ラインがやや邪魔に」
―率直な印象は?
「アドレスして上から見ると、フェース後方の黒いラインの主張が強く、フェース面よりも目立っている印象を受けます。ターゲットに対し、フェースで合わせるのではなく、後ろの黒ラインで合わせるほうがイメージしやすい気がします」
―黒ラインによってどういう影響がある?
「パッティング時の集中力は、1カ所に焦点を当てるよりも、なるべく多くの場所に分散することで迷いをなくし、スムーズにストロークへ移行できることが理想です。その点で黒ラインが邪魔になり、やや打ちづらさを感じてしまいます。正直なところ、もう少しライン幅が細いデザインであれば良いのに、と思ってしまいました」
―他に気になる点は?
「つかまりを抑えたクランクネック以外のモデルが、若干つかまり具合が強く、ややオートマチックな動きが邪魔になってしまう印象でした。私は自分でボールをつかまえたいタイプなので、ヘッドが勝手に動いてしまうと、やや違和感を覚えます。ですが、ネックの種類も多くラインアップされているので、フィーリングの合うタイプを選べば問題ないでしょう」
―初代ホワイト・ホットの印象は?
「そうですねー…、当時はやわらか過ぎた感じがありました(笑)。私はやや硬めの打感のほうが好みで、自分が思っているよりも転がってくれない印象がありました。ツアー仕様の高速グリーンではイメージが合うのですが、アベレージゴルファー向けの平均的なグリーンでは、もう少し当てている感触が欲しいと思っていました。ただ、『―OG』は以前よりもシッカリ感がプラスされているので、そういう意味ではアマチュアにもアジャストできる感じになってきたといえます」
―アッパーブローになりやすい?
「全体的に重心がヘッド後方にある感じがするため、比較的アッパー軌道になりやすい構造をしています。積極的に上から当てていく軌道にはならない。多くのアマチュアゴルファーは、カップを意識し過ぎて、ストローク中に体が左に流れてしまう人が多いので、そういう人には向いているといえます」
―どのような人向き?
「つかまり具合が強い点、バリエーションが豊富な点で、初級から上級者まで幅広い層に受け入れやすいシリーズだと思います。特にマレット型を探している人には、ラインアップが多いことで自分に合った形状を見つけられるので、おすすめです。ホワイト・ホットインサートの打感を損なわず、いろいろなネック形状を試せる点が、今作の最大のウリといえるかもしれません」
打感5.0満点◎を生かせるかがカギ【総合評価4.3点】
【転がり】4.5
【打 感】5.0
【寛容性】4.0
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.0
・#7 DOUBLE WIDE /ロフト角:3度 ライ角:70度 長さ:34インチ
・#7 BIRD /ロフト角:3度 ライ角:70度 長さ:34インチ
・#7 NANO /ロフト角:3度 ライ角:70度 長さ:34インチ
・使用ボール:ブリヂストン ツアーB X
取材協力/トラックマンジャパン株式会社
■ 大本研太郎(おおもと・けんたろう) プロフィール
1974年生まれ、PGAティーチングプロA級。株式会社スポーツラボ代表として、2012年パターレッスン専用スタジオ「パットラボ」、13年「GPC恵比寿」を開設。スコアメイクに重要なショートゲーム改善の研究を進め、特に重要性の高いパッティング指導に力を入れる。最近では東浩子、臼井麗香らのコーチも務める。