クラブ試打 三者三様

スパイダー GT パターを西川みさとが試打「何でもできそう」

2022/07/26 05:00

テーラーメイド「スパイダー GT パター」の評価は!?

誕生から14年が経過し、世界中のツアーで定番パターとなっているテーラーメイド「スパイダー」シリーズ。寛容性を高めるため、更に慣性モーメントを向上させた最新作は「GT」=Grand Tour(グランドツアー)と名付けられ、ミスヒットに強い安定性を実現したという。そんな“ブレないスパイダー”を、有識者3人が採点。まずは女子プロゴルファーの西川みさとが試打評価を行った。

「小型マレットの感覚で打てる」

※5mの距離で検証

―率直な印象は?
「試打したスタンダードモデル(ブラック)は、これまでのスパイダーの形状を継承しつつ、台形のボディと後方2本のツノが、一見分離したような独特の形状に仕上がっています。黒というカラーリングの影響があるのか、サイズ感は大き過ぎず、締まって見えるため、これまでのシリーズと比べて操作性が高い印象を受けます」

ミスの強さが最大のウリとなる新スパイダーシリーズ

―操作性が高い印象…?
「はい。上から見ると、面になっているマレット部にだけ集中することができ、そこだけの形(小ぶりなマレット)をイメージして打つことができます。しかも、振ってみると後方のツノが効いているため、安定性も感じられます。特にテークバックする際、軌道がブレることなく後方に真っすぐ引きやすい。操作性を感じる見た目と、機能的な構造のマッチングが、しっかり計算されているようにうかがえます」

シリーズ初となる80gのタングステンリングを採用

―ヘッドの重量配分による安定感は大きい?
「うーん…そうですね。正直、重量配分までは分からなかったですが、安定感はしっかりあることを確認できました。振っていてブレのない感覚は、プレッシャーのかかったショートパットに役立ちそうです。しかも小ぶりな視覚効果により、メリットは安定感だけではなく、ロングパットにも感じられました」

GT スタンダード(手前)に加え3本のバックパターコレクションもラインアップ

―好みのモデルは?
「安定感でいえば、スタンダードモデルが一番良さそうですが、操作性は丸型マレットの『スパイダー GT ロールバック パター』が良いように思います。中央のブラック&ホワイトのラインが、テークバックの動きを補助するイメージを得られて引きやすい。スタンダードと同じくらい安定感がありながら、よりコンパクトで、いろいろな動きに対応できそうです」

純正のスーパーストローク Pistol GTR 1.0 Black/Red (口径58/82.5g)

―グリップの印象は?
「純正のピストルグリップが、とても手に引っかけやすく、手にピッタリくる感じがありました。いま使用するクラブのグリップもバックラインがあるモデルなので、同じような凸感覚を指に引っかける感触が味わえました。太さも適当なのか、手で包む感触がとても心地よく、グリップするだけで構えやすく感じられました」

「安心感が選ぶ基準になると思うけど 距離感も合う」と西川

―どのような人向き?
「ブレード型と比べると大きめのマレット型ということで、競技に出るようなアスリートゴルファーよりもアベレージ向きかなと思います。ただ、サイズが大きいだけのパターではないため、競技志向の人でも違和感なくブレのなさを味わえる。メインターゲットは、ショートパットをしっかり打ちたい人向きになりますが、打ち方や狙い方は何でもできそうなので、多くのユーザーに向いているといえます」

4.5点が3項目の高評価【総合評価4.3点】

【転がり】4.0
【打 感】4.5
【寛容性】4.5
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.5

・ブラック /ロフト角:3度 ライ角:70度 長さ:34インチ
・ロールバック /ロフト角:3度 ライ角:70度 長さ:34インチ
・使用ボール:ブリヂストン ツアーB X

取材協力/トラックマンジャパン株式会社

■ 西川みさと プロフィール

1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。専大時代の1998年に「日本女子学生選手権」で優勝。大山志保古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場した。2002年のプロテスト合格後は、飛距離こそ出ないものの、ショートウッドを巧みに使う技巧派として、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで人気を集めた。

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