スパイダー GT TM1/2 パターを大本研太郎が試打「黒×黒が見えやすい」
テーラーメイド「スパイダー GT TM1/2 パター」の評価は！？
テーラーメイド「スパイダー」の最新作「GT」シリーズに、トラス(TRUSS)構造の三角形ホーゼルを装着した「スパイダー GT TM1/2 パター」が登場した。人気シリーズの機能を融合させることで、寛容性と安定性を併せ持つモデルに仕上がっているという。そんな話題のパターを有識者3人が採点。多くのプロを指導するパッティングコーチ・大本研太郎の評価は！？
「意外と個性はブツかり合っていない」
―率直な印象は？
「『スパイダー』と『トラス』という特徴的なシリーズの組み合わせで、構えづらいのでは？ というのが試打前のイメージでした。ですが、実際にセットして打ってみると、両者の個性がそれほどブツかり合っておらず、シンプルに構えられて打ちやすく感じられます」
―個性がブツかり合っていない…？
「はい。通常ネックと変わらず、違和感なくボールを転がすことができます。トラス構造はフェース面と合わせて“面”の意識が強くなる分、真っすぐセットしないといけないというプレッシャーがかかり、アドレス時にやや邪魔になってしまうことを危惧していたのですが…」
―見た目の印象は？
「黒のカラーリングが絶妙でいいと思いました。特にヘッドもシャフトも黒の組み合わせが、シンプルに見えて構えやすいです。一般的なシルバーのスチールシャフトだと、日差しで反射して浮いて見えてしまう。黒×黒であれば晴れた日でも気にならず、集中力を保てるため、ストロークに入りやすいと思いました」
―普段使用しているパターも黒？
「私は普段も、同じ黒×黒のブレード型を使っています。黒×黒はおすすめなので、同じカラーリングでいろいろなパターンのシリーズ展開で発売されたら、より選びやすくなるように思いました」
―寛容性の高さは魅力的？
「そうですね。スパイダー構造は元々ミスヒットに強く、ターゲットに対してストレートに狙いやすいメリットを感じます。その半面、操作性が乏しくなることを気にする人は、ヒールネックの『TM1』を選べば問題ないと思います。完全なマレット型ではなく、ブレード型の要素も併せ持っているため、適度な操作性を感じられるからです」
―どのような人向き？
「『TM1』と『TM2』でターゲット層が明確に分かれます。『TM1』は、マレットの中でも若干つかまり感が持てるため、右に押し出してしまうミスに悩んでいる人向き。『TM2』は、逆につかまり過ぎない真っすぐなストレートフェース感覚で構えられるため、左に引っかけてしまう人におすすめです。ストレートフェース感覚のパターは、考え過ぎるとインパクトでフェースが開いてしまう傾向が強いので、アライメントを合わせたら、悩まずすぐに打ち出すタイプの方に合うと思います」
スパイダーGT評と全く同じ【総合評価4.2点】
【転がり】4.5
【打 感】4.0
【寛容性】4.5
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.0
・ブラック TM1 ／ロフト角：3度 ライ角：70度 長さ：34インチ
・ブラック TM1 ／ロフト角：3度 ライ角：70度 長さ：34インチ
・使用ボール：ブリヂストン ツアーB X
取材協力／トラックマンジャパン株式会社
■ 大本研太郎（おおもと・けんたろう） プロフィール
1974年生まれ、PGAティーチングプロA級。株式会社スポーツラボ代表として、2012年パターレッスン専用スタジオ「パットラボ」、13年「GPC恵比寿」を開設。スコアメイクに重要なショートゲーム改善の研究を進め、特に重要性の高いパッティング指導に力を入れる。最近では東浩子、臼井麗香らのコーチも務める。