スコッティキャメロン PHANTOM X パターを西川みさとが試打「前作 黄×黒のほうが好き」
スコッティキャメロン「PHANTOM X パター」の評価は!?
パターデザインの巨匠スコッティ・キャメロンが手掛けるマレットシリーズ「PHANTOM X」に、2022年モデルが登場した。サイトラインを1本に集約し、配色もシンプルに、より洗練されたデザインへのアップデートを果たした。そんな“新生 PHANTOM X”を有識者3人が採点。まずは女子プロゴルファーの西川みさとが試打評価を行った。
「シルバー×黒がややおとなしく残念」
―率直な印象は?
「前作と比べて配色がシックになった分、構えた際の上から見た印象は、アライメントのメリットが少し薄れた感じがします。形状や打感は変わらず好印象ですが、構えやすさだけは、前作のほうが上回っていた気がします」
―前作のほうが上回っていた…?
「前作2019年モデルは、黄×黒の配色がとても見やすく、構えやすさにつながっていました。今作はシルバー×黒の構成となり、アライメントの主張がややおとなしく感じられます。前作のほうがパキッと、中央の黄色3個のドットが目立つことで、目標に合わせやすかったと記憶しています」
―色合いの違いが大きな差に?
「はい。前作も今作も、形状の好みは変わらず『12』が本命で、地面に置いたときの据わりの良さは別格です。ただ、前作『PHANTOM X 12 パター(2019年)』のほうが、黄と黒の配色がコントラストを生み、マレット中央に集中しやすい。ストローク中も黄色ドットとラインによる残像効果が働き、ヘッド軌道が視認しやすい。前作のカラーリングのほうが、メリットが多かったように感じます」
―形状は変わらず「12」が好み?
「『12』の据わりの良さは、前作と変わらず良かったです。地面に置いた瞬間、左右にブレることなく、フェース面を向けたい方向に合わせて置ける。マレット型という見た目の大きさに反し、ブレード型と変わらないほど軽めに感じられ、扱いやすさは申し分なし。見た目以外の性能に関しては、そのまま継承されている印象を受けます」
―打感も同じく高評価?
「打感は、さすがとしか言いようがないほど高評価です。ダイレクトに伝わる感触が、何とも心地いいフィーリングを生んでくれます。ですが、気になる点はボールの転がり…。打感が秀逸なだけに、もうひと伸びがなかった点が、余計に目立って気になりました。同じストローク幅でも、前作のほうが遠くまで運べていた気がします」
―どのような人向き?
「ずばりスコッティキャメロンが大好きな人。キャメロンのファンは、ギア情報に敏感な人が多いと思うので、新モデルが出るタイミングで手に取るでしょう。ぜひ前作とじっくり見比べながら試打してほしいと思います」
前作の点数(4.4点)から急落【総合評価3.9点】
【転がり】3.5
【打 感】4.0
【寛容性】4.0
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.0
・5s /ロフト角:3.5度 ライ角:70度 長さ:34インチ
・12 /ロフト角:3.5度 ライ角:70度 長さ:34インチ
・使用ボール:ブリヂストン ツアーB X
取材協力/トラックマンジャパン株式会社
■ 西川みさと プロフィール
1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。専大時代の1998年に「日本女子学生選手権」で優勝。大山志保・古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場した。2002年のプロテスト合格後は、飛距離こそ出ないものの、ショートウッドを巧みに使う技巧派として、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで人気を集めた。