クラブ試打 三者三様

スコッティキャメロン PHANTOM X パターを大本研太郎が試打「直感で選べる」

2022/08/27 05:00

スコッティキャメロン「PHANTOM X パター」の評価は!?

パターデザインの巨匠スコッティ・キャメロンが手掛けるマレットシリーズ「PHANTOM X」に、2022年モデルが登場した。サイトラインを1本に集約し、配色もシンプルに、より洗練されたデザインへのアップデートを果たした。そんな“新生 PHANTOM X”を有識者3人が採点。多くのプロを指導するパッティングコーチ・大本研太郎の評価は!?

「この中から必ず理想のマレットが見つかる」

※5mの距離で検証

―率直な印象は?
「『スコッティキャメロン』特有の打感の良さがあり、しかもヘッド&ネックの種類を10モデルから選べる強みは、とても大きな魅力です。これほど豊富なバリエーションがあれば、必ず自分に合うマレットパターは見つけ出せると思います」

4月発売の7機種に加え 6月に3機種が加わった(計10モデル)

―気に入ったモデルは?
「ポンッと地面に置いて、すんなりと構えられる『12』が好きです。一番据わりが良く、好みのカラーリングである黒×白だったというのも、理由のひとつ。私は『12』でしたが、お気に入りを探す際は、できるだけ直感で選ぶべきです。握った直後にアリかナシか判断して大丈夫。それだけこの『PHANTOM X』は、どのモデルを選んでも性能の高さは折り紙つきということです」

シリーズで最も高い慣性モーメントを実現している「12」

―キャメロンといえばブレード型のイメージが強いですが?
「確かに『ニューポート 2』のイメージは強いですが、ゴルファー全員がブレード型が得意というわけではないので、マレット型でも『スコッティキャメロン』を味わいたい人は、『PHANTOM X』派になると思います。基本的にメーカーは、気持ちよく打てるというところを目指していると思うので、形状は自分の感覚に合うものを選べばいいということだと思います」

精密に加工された303ステンレススチールのフェース面

―操作性はマレット型っぽくない?
「そうですね。マレット型の中でも上下の厚さが薄めで、典型的なマレットパターというイメージは薄いです。それにより、ヘッドの重さでアッパー軌道になりがちなデメリットは受けにくく、ミスパットを減らせる形状に仕上がっているといえます」

アルミニウム部の黒ボディがアライメントの効果を発揮している

―見た目の印象は?
「前作のように、黄色のような膨張色が入っていないので、視点を一点に集中させない工夫が好印象です。マレット部の黒いゾーンが、大体ボールの直径の幅になっていて、目標に対して合わせやすい。ターゲットに向けて、ボールの幅の仮想ラインをイメージできるため、アライメントが取りやすいです」

「マレット好きにはぜひチャレンジしてほしい」と大本

―どのような人向き?
「『スコッティキャメロン』は、何といっても打感が素晴らしいので、この打感を求めるゴルファー向き。その上で、形状が直線的な造りとなっているので、ターゲットに対して直角なイメージを持ちたい、きちんと正対させたいタイプに向いています。軌道もイントゥインのイメージより、ややストレートに近い人に合うと思います」

ブレード派の大本は打感4.0止まり…【総合評価4.1点】

【転がり】4.0
【打 感】4.0
【寛容性】4.5
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.0

・全機種 /ロフト角:3.5度 ライ角:70度 長さ:34インチ
・使用ボール:ブリヂストン ツアーB X

取材協力/トラックマンジャパン株式会社

■ 大本研太郎(おおもと・けんたろう) プロフィール

1974年生まれ、PGAティーチングプロA級。株式会社スポーツラボ代表として、2012年パターレッスン専用スタジオ「パットラボ」、13年「GPC恵比寿」を開設。スコアメイクに重要なショートゲーム改善の研究を進め、特に重要性の高いパッティング指導に力を入れる。最近では東浩子臼井麗香らのコーチも務める。