クラブ試打 三者三様

PLD ミルド パターを西川みさとが試打「全てのバランスが絶妙」

2022/08/30 05:00

ピン「PLD ミルド パター」の評価は!?

Putting Lab Design=「PLD ミルド パター」は、米国のピンゴルフ社にあるパター専門研究開発室の名から取った、トッププロのこだわりを反映したモデル。トニー・フィナウビクトル・ホブランらが使用して、発売当初から結果を残し、今夏からは渋野日向子が「PLD ミルド DS 72 パター」に替えたことで、さらに注目度が増した。そんな同社が誇る完全削り出しパターを、有識者3人が採点。まずは女子プロゴルファーの西川みさとが試打評価を行った。

「トータルバランスの良さで一番かも」

※5mの距離で検証

―率直な印象は?
「とても良い印象です。削り出しパターの打感の良さを十分感じながら、ボールの転がりの良さも、しっかり感じ取ることができます。世界中のツアープロが求める性能という特徴も、納得させられる仕上がりでした」

同社「特別開発室」の名を冠にした特別なパター

―厳選された4モデルについては?
「ブラック2モデル、シルバー2モデルの配色(『アンサー』『プライム タイン4』がブラック、『アンサー2』『DS72』がシルバー)は、それぞれ形状に合わせた色分けになっている気がします。シルバーよりブラックのほうが、やや打感が硬い気がしたのですが、そのフィーリングの違いを、サイズや形状の違いに合わせ、同社が最適なものに当てはめようと、考え抜いて配されたもののように感じます」

ヘッドとシャフトのカラーまで厳選した4モデル

―気に入ったモデルは?
「『アンサー2』が良かったです。元々ブレード型が好きということもありますが、やはり昔も今も変わらない、不動の人気の形状。改めて間違いないなと認識できる結果となりました。インパクトの瞬間、ボールの転がるイメージが自然と出せる形状。鈍感過ぎないし繊細過ぎない、適度なフィーリングで、しっかりボールをヒットできる。全てにおいて、バランスがいいという感想です」

名器として長年多くのゴルファーに愛され続ける「アンサー2」

―マレット型『DS72』『プライム タイン4』の評価は?
「マレット型もメリットは感じられるのですが、削り出しの打感の良さを、シンプルに感じるという点では、ブレード型のほうが上のような気がします。『DS72』も『プライム タイン4』も、打感が劣るということではないのですが、『アンサー』『アンサー2』のクラシックな形状に比べると、やや複雑な印象。今回のコンセプトには、後者のほうがマッチしているのかなと思います」

バックフェースにはロゴの刻印と3色のブランドカラーが映える

―他社の削り出しパターと比べてどう?
「他社と比べて評価はNo.1。感触だけでいえば、他社モデルも同じくらい好みのフィーリングは出ているのですが、ボールの飛び出すイメージや転がり方、距離感までトータルで考えると、一番『PLD』がバランスがいい気がします。大型マレットに比べ、構えた際の安心感はありませんが、それでも使い続けたいと思わせる納得感があります」

「『アンサー2』はジュニア時代に使っていました(笑)」と西川

―どのような人向き?
「どんなゴルファーでも、一度は使ってもらいたいパターです。特に『アンサー2』のような、普遍的な形状のモデルを使い続けることで、いろいろな知識や技術が広げられると思います。初級者の方には、パッティングを覚えるきっかけに。中上級者の方には、原点に戻れる契機に。基礎をつくれる、元の感覚に戻れるパターではないでしょうか」

バランスの良さでオール4.5【総合評価4.5点】

【転がり】4.5
【打 感】4.5
【寛容性】4.5
【操作性】4.5
【構えやすさ】4.5

・アンサー2 /ロフト角:3度 ライ角:70度 長さ:34インチ
・プライム タイン4 /ロフト角:3度 ライ角:70度 長さ:34インチ
・使用ボール:ブリヂストン ツアーB X

取材協力/トラックマンジャパン株式会社

■ 西川みさと プロフィール

1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。専大時代の1998年に「日本女子学生選手権」で優勝。大山志保古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場した。2002年のプロテスト合格後は、飛距離こそ出ないものの、ショートウッドを巧みに使う技巧派として、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで人気を集めた。