TP コレクション HYDRO BLAST パターを西川みさとが試打「しっかりヒットできる」
テーラーメイド「TP コレクション HYDRO BLAST パター」の評価は!?
テーラーメイド「TP コレクション HYDRO BLAST」は、高圧の水を吹きつけて表面仕上げをする「ハイドロブラスト製法」により、心地よい打感と見た目の高級感を生んだパターシリーズ。永峰咲希や松森彩夏ら、女子ツアーで使用するプロが多く、「全米女子アマチュア選手権」を制した馬場咲希も愛用している。そんな人気シリーズに追加された「ジュノ TB1.5」と「デルモンテ TB1」を、有識者3人が採点。まずは女子プロゴルファーの西川みさとが試打評価を行った。
「ストロークでの安心感&見た目のスッキリ感」
―率直な印象は?
「トラス構造のネックに安心感を抱けるため、インパクト時の当たりの強さを感じることができます。それほど安心して打てる半面、上から見た印象ではネックが目立たず、一般的なクランクネックと同じように見えるため、違和感なく構えられる。多くの女子プロが、トラス構造を支持している現状もうなづけます」
―トラス構造の利点はどこ?
「速いグリーンに対応できるところでしょうか。高速グリーンでは、ついストロークのテンポを速め、インパクトを弱めに入れてしまいがちですが、トラス構造のパターでは、やさしいタッチでもカップに届く寛容性を感じます。特に難度の高い下りスライスの状況で、芯に当たらなかったとしても、ひと押ししてくれるような印象。転がりの良さで、ミスヒットをカバーしてくれる利点を感じます」
―初代「トラス(TRUSS)パター」から進化した点は?
「2020年発売の初代モデルが登場したときは、その形状に驚かされましたが、今でも女子ツアーで人気が高く、継続して売れているということで、メリットを感じるゴルファーが多いことが実証されています。正直、進化している点は見つけられませんが、トラス構造の利点はしっかり継承しているので、初代トラスからバリエーションが増えたことが、大きな進化といえるのではないでしょうか」
―操作性は高い?
「バックフェース側から見たときに、トラス構造の存在感は気になりますが、真上から見た際は、『ジュノ』も『デルモンテ』もどちらもスッキリ見える外観で、ストロークには全く影響しません。両モデルともブレード型のため、多少フェース面のローテーションを考えるべきなのですが、それも意識的に行うことは不要。自然にヘッドを上げて下ろすだけで、理想的な軌道を描ける感覚が持てます」
―打感の評価は?
「特にやわらかいわけでも、硬いわけでもなく、適度なフィーリングを味わうことができます。どちらかといえば、やわらかいほうに入るかもしれませんが、インパクトの強さを吸収してしまうほどのやわらかさではありません。あくまでも心地よい感触が手に、転がりの良さを実感できる打音が耳に残ります」
―どのような人向き?
「比較的、男子よりも女子ツアーで見かけることが多いので、感性でラインをつくるタイプより、いつも決められた感覚で直線的に狙うタイプに向いている気がします。女子プロは、感性よりも規則的にパッティングする選手が多いので。そういう意味では、上級者や競技者に限定するのではなく、アベレージゴルファーも、フィーリングさえ合えば選んでいい扱いやすさを感じます」
女子プロ人気もうなづける性能【総合評価4.2点】
【転がり】4.0
【打 感】4.0
【寛容性】4.5
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.5
・ジュノ TB1.5 /ロフト角:3度 ライ角:70度 長さ:33インチ
・デルモンテ TB1 /ロフト角:3度 ライ角:70度 長さ:33インチ
・使用ボール:ブリヂストン ツアーB X
取材協力/トラックマンジャパン株式会社
■ 西川みさと プロフィール
1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。専大時代の1998年に「日本女子学生選手権」で優勝。大山志保・古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場した。2002年のプロテスト合格後は、飛距離こそ出ないものの、ショートウッドを巧みに使う技巧派として、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで人気を集めた。