クラブ試打 三者三様

TP コレクション HYDRO BLAST パターを大本研太郎が試打「クロスハンドと相性◎」

2022/09/10 05:00

テーラーメイド「TP コレクション HYDRO BLAST パター」の評価は!?

テーラーメイド「TP コレクション HYDRO BLAST」は、高圧の水を吹きつけて表面仕上げをする「ハイドロブラスト製法」により、心地よい打感と見た目の高級感を生んだパターシリーズ。永峰咲希松森彩夏ら、女子ツアーで使用するプロが多く、全米女子アマを制した馬場咲希も愛用している。そんな人気シリーズに追加された「ジュノ TB1.5」と「デルモンテ TB1」を、有識者3人が採点。多くのプロを指導するパッティングコーチ・大本研太郎の評価は!?

「“面”をイメージできる強み」

※5mの距離で検証

―率直な印象は?
「トラス構造はフェース面だけではなく、広い“面”を意識できるため、とてもスクエアに構えやすいです。特にクロスハンドグリップとの相性の良さを感じます。広い“面”と左腕を一体化させるイメージが持てれば、他の握り方よりも結果が出やすいように感じます」

初代トラスより小型化を図り若干フェースの開閉がしやすい構造

―“面”をイメージ…?
「はい。三角形のホーゼルが、フェースと直結しているので、ここを一面に考えると、通常ブレード型より面積は広く感じます。大型マレットも同じイメージは持てますが、形状が厚ぼったく、操作しにくく感じる人は多い。その点、トラス構造は“面”を感じられる上に、見た目がシンプルで邪魔にならないところが、最大の魅力ではないでしょうか」

上からの印象はシンプルなブレード型の顔と全く同じ

―初めてトラス構造を見た印象は?
「初めは女子ツアーの会場で発見し、独特の形状に驚きました。違和感を抱く選手が多いと思っていたのですが、『ターゲットに合わせやすい』『シンプルに操作できる』という声を聞き、すぐに使用率が高まるなと予想し、その通りになりました」

ステンレス素材の中でも高価な「303ステンレススチール」を採用

―クロスハンドと相性がいい理由は?
「一般的にブレード型はトウバランス(シャフトを平らな場所に置いたとき、フェースが横を向く)が多いですが、この2モデルはフェースバランス(フェースが上を向く)に近い重心角が特徴。基本的にフェース面の開閉の度合いは少なくて良いため、手首の動きを最小限に抑えるクロスハンドグリップと相性がいいなと思いました」

マレット部の幅がやや狭い「ジュノ TB1.5」(左)と広めの「デルモンテ TB1」(右)

―ボールの転がりは?
「打音や打感にマイナス点はなく、順回転もかかりやすいので、転がり自体は良かったです。ただ、今回試打したクラブの長さが合っていなかったため、思いのほか球足が伸びませんでした。現在使用しているマイクラブが35インチで、今回試打したモデルが33インチ。たった2インチですが、フェースの開閉が少し入らない分、ボールが思ったほど転がらない…。パターを選ぶ際、長さは非常に重要な項目なので注意しましょう」

「“面”の意識はアドレス時のみでストローク中は気にせず打つといい」と大本

―どのような人向き?
「現在マレット型を使っていて、ブレード型に移行したい人向き。マレット型の構えやすさに慣れてしまうと、すぐにはシンプルなブレード型に対応できないため、“面”を感じやすいトラス構造はおすすめです。またフェース面が把握しにくいと悩むゴルファーにも向いています。目標に真っすぐ構えることは、簡単なようでプロでも難しいものです。実際コースで使ってもいいですし、練習用として使うにも最適だと思います」

トラス構造のメリット満載【総合評価4.2点】

【転がり】4.0
【打 感】4.5
【寛容性】4.5
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.0

・ジュノ TB1.5 /ロフト角:3度 ライ角:70度 長さ:33インチ
・デルモンテ TB1 /ロフト角:3度 ライ角:70度 長さ:33インチ
・使用ボール:ブリヂストン ツアーB X

取材協力/トラックマンジャパン株式会社

■ 大本研太郎(おおもと・けんたろう) プロフィール

1974年生まれ、PGAティーチングプロA級。株式会社スポーツラボ代表として、2012年パターレッスン専用スタジオ「パットラボ」、13年「GPC恵比寿」を開設。スコアメイクに重要なショートゲーム改善の研究を進め、特に重要性の高いパッティング指導に力を入れる。最近では東浩子臼井麗香らのコーチも務める。

テーラーメイド
新たなクラシカルパターの誕生
発売日:2022/06/10 参考価格: 39,600円
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