フォーティーン LF-8 パターを西川みさとが試打「トリセツが必要」
フォーティーン「LF-8 パター」の評価は!?
「今どきの太めグリップ×大型ヘッドだと、短い距離の感覚が出ない…」という声を反映して生まれたフォーティーン「LF-8 パター」。操作性の高いL字形状にするとで、アイアンやウェッジと同じ感覚でストロークでき、感性を生かせる点が最大の武器となっている。そんな時代と逆行するコンセプトのパターを、有識者3人が採点。まずは女子プロゴルファーの西川みさとが試打評価を行った。
「現代に登場した個性を感じるL字マレット」
―率直な印象は?
「本格派のブレードから、流行の浅重心マレットまで、いろいろなモデルが出ている中で、あえてこの原点回帰なL字を採用するところに、個性を感じます。ここ2~3年でゴルフを始めた方には、一度も使用したことない形状ではないでしょうか」
―過去にL字は使っていた?
「はい。20年以上前になりますが、プロテストを受けていた頃に使っていました。当時はギアに対する知識が少なく、教わっていたコーチにすすめられるまま、7~8年使い続けていました。フェース面を開閉する度合いが強い形状ですので、難しさはあったと思うのですが、それも知らずに使っていました」
―いま現在、使う可能性はある?
「L字パターは好きですが、実戦で使うとなると、見た目の安心感にやや物足りなさを感じます。試合で投入するとなると、もう少しやさしさを求めてしまう…。ただ、一本は持っておきたいと思えるモデルであることは確か。この形状で練習することで、クラブの芯(スイートスポット)を感じ取ることができ、鋭い感覚を維持することができます。ドライバーからパターまで同じイメージで、フェースローテーションを行う感覚が持てる点も、メリットのひとつだと思います」
―気になる点は?
「L字パターを、食わず嫌いになっているプレーヤーが多い点です。ちゃんとボールをつかまえて打てれば、真っすぐ転がせる特性を把握しているゴルファーが何人いるか…。ボールを包み込む感じで打つといった使い方が記してある取扱説明書が付いていれば、もっと多くのゴルファーに評価される気がします」
―打感の評価は?
「削り出しの特徴である良質なフィーリングを味わうことができます。しっかりした硬さがありながら、心地よいやわらかさも感じる。インパクト時の弾きは速くもなく遅くもなく、ちょうどいい飛び出し方を得られます」
―どのような人向き?
「ギアにもプレーにも、こだわりを持ったプレーヤー向き。他人とは違うモデルを持ちたい人、ストロークを研究し、それに合うモデルを探している人など、ギアに対する思い入れが強い方に向いていると思います。腕前としては、他クラブと同じようにフェースを動かす感覚が必要になるため、やや上級者向きといえます」
練習用に最適 実戦投入は…【総合評価4.0点】
【転がり】4.0
【打 感】4.5
【寛容性】4.0
【操作性】4.0
【構えやすさ】3.5
・ロフト角:3度 ライ角:71度 長さ:34インチ
・使用ボール:ブリヂストン ツアーB X
取材協力/トラックマンジャパン株式会社
■ 西川みさと プロフィール
1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。専大時代の1998年に「日本女子学生選手権」で優勝。大山志保・古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場した。2002年のプロテスト合格後は、飛距離こそ出ないものの、ショートウッドを巧みに使う技巧派として、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで人気を集めた。