フォーティーン LF-8 パターを筒康博が試打「転がり過ぎないパター」
フォーティーン「LF-8 パター」の評価は!?
「今時の太めグリップ×大型ヘッドだと、短い距離の感覚が出ない…」という声を反映して生まれたフォーティーン「LF-8 パター」。アイアンやウェッジと同じ感覚でストロークできることで、感性を生かせる点が最大の武器となっている。時代と逆行する、そんなコンセプトのパターを、有識者3人が採点。ご意見番クラブフィッター・筒康博の評価は!?
「時代に逆行しつつ難し過ぎない性能」
―率直な印象は?
「L字パターでありながら、難し過ぎない工夫が施されています。フランジ(ソール面の張り出し)やキャビティ部分の安心感、サイトラインも目立ち過ぎない状態で入っていて狙いやすく、グースも適度で構えやすい。重量は軽めですが、決して軽過ぎず、しっかりヒットしても、ボールが転がり過ぎないメリットを得ることができます」
―転がり過ぎないメリット…?
「はい。評価の採点では、転がりを3点(5点満点)としましたが、それがデメリットではなく長所に感じるゴルファーも少なくありません。採点の難しいところですが、タッチが比較的、いつも強いタイプの人は、強気のまま方向性を崩さずにパッティングが行える。そこが、このパターの存在意義なのかなと思いました」
―少数派向きではある?
「確かに市場では、弱めのタッチで距離が出る“転がりのいい”パターが多く出回っていますが、強めのタッチでも転がり過ぎない性能のモデルは、極端に数が少ないです。削り出しやブレード型からそのようなモデルを探しているのが現状ですが、そこに注力している点がフォーティーンらしい。9割のトレンドに流されず、コンセプトを突き詰め、形とフィーリングを具現化しているため、とても選びやすい特性になっています」
―距離感を合わせやすい?
「そうですね。パット自体の距離感も向上しますし、これを使うことでアイアンやアプローチの精度も上がると思います。L字パターは、アイアンやウェッジに構造が似ているため、ショットからパットまで一貫した感覚で打てる。結果的に、パターだけが機能してパット数を減らすよりも、ラウンド全体のスコアメークに良い影響を及ぼす効果のほうが大きいといえます」
―気になる点は?
「正直、パターの性能に依存したいゴルファーには、手を出さないでほしいです。性能自体を把握せず、買ってから『芯(スイートエリア)が小さかった』『転がりが悪かった』という感想を持つのは、ナンセンスな気がします。性能が低いわけではなく、シンプルに訴求ターゲットに当てはまらなかったと考えるべきでしょう」
―どのような人向き?
「傾向は若干変わってきていますが、“L字持ちにパット名手が多い”という20~30年前の定説は、現代にも通ずる事実です。私のように以前L字を長年使っていた人や、年齢でいうと50歳以上の中には、今でもこのような性能を求めている方は多いでしょう。ストロークタイプでいうと、インパクトでタッチと方向性を出したい人向き。一定の動きで機械的にボールを転がすタイプには、合わないかもしれません」
転がり3点は△でなく◎評価【総合評価4.1点】
【転がり】3.0
【打 感】4.5
【寛容性】4.0
【操作性】4.5
【構えやすさ】4.5
・ロフト角:3度 ライ角:71度 長さ:34インチ
・使用ボール:ブリヂストン ツアーB X
取材協力/トラックマンジャパン株式会社
■ 筒 康博(つつ・やすひろ) プロフィール
スイングとギアの両面から計測&解析を生かし、プロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイス。インドアゴルフ「ゴルフレンジKz亀戸店」のヘッドティーチャーを務める傍ら、様々なメディアにも出演中。大人のゴルフ選びフィッティングWEBマガジン「FITTING」編集長として自ら取材も行う。