ブリヂストン B3 ドライバーを筒康博が試打「『JGR』の進化版」
ブリヂストン「B3 SD ドライバー」の評価は!?
昨年発売の「B1 ドライバー」「B2 ドライバー」に続き、“第3のB”として登場したブリヂストン「B3」シリーズ。フェース以外を全てカーボン一体成形にする「カーボンモノコックボディ」を初採用することで、軽量化と高機能化を両立したという。そんなストレート設計「B3 SD ドライバー」を、ドロー設計「B3 DD ドライバー」と比べながら、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。ご意見番クラブフィッター・筒康博の評価は!?
「カーボンボディの異質感には慣れが必要」
―率直な印象は?
「現代の“やさしいクラブ”の代表格といえるモデルではないでしょうか。フェース以外のボディが全てカーボンという特徴的な構造は、今までにない異質感はあるため、正直好みは分かれるところ。ただ、インパクト時のボールの食いつき感や程よいフィーリングが味わえる打音は、やさしく感じる要素となり得る気がします」
―今までにない異質感とは?
「異質な点は、ヘッドが異様に軽快に走るスピード感や、ややインパクトの衝撃を和らげている打感です。ただ、そもそも真新しいテクノロジーは、2~3メーカーの複数モデルが採用し、市場に定着することで、アマチュアゴルファーの認知度が上がり、慣れてくることで評価される傾向があります。テーラーメイドのカーボンフェースと同様、同社のカーボンボディも採用され続けることで、徐々にゴルファーの感覚に馴染んでいくように感じます」
―「DD」との違いは?
「はっきりと『DD』のほうが、ボールのつかまり具合を強く感じます。ただし、決して『SD』がつかまらないわけではありません。試打する際は『SD』→『DD』の順で打ってみて、スライスやプッシュアウトが強い人のみ、『DD』を選ぶと良いでしょう」
―純正シャフト「TENSEI BS RED 40」の評価は?
「40g台のモデルが純正シャフトに備わっているドライバーは、現在フラッグシップモデルにほとんど見られないため、違和感を覚えるゴルファーは少なくないかもしれません。ヘッドの正しいフィーリングを味わうためには、装着シャフトのスペックをしっかりチェックしてから試打するべき。逆をいえば、『B3』は私くらいの平均的HS(40~42m/s)や、それより遅い人にも扱えるヘッド性能に仕上がっていると言えます」
―類似モデルは?
「以前まで同社から発売されていた人気シリーズ『JGR』が挙げられます。細かく見ると、『JGR』ほどフックフェースではなく、ターゲットに対してスクエアに置ける感じはありますが、実際にはちゃんと右方向へのミスを消してくれる性能は同じです。構造と設計を少しずつブラッシュアップし、進化版として生まれ変わったモデルという位置づけで把握すると良いように感じます」
―どのような人向き?
「ゴルフを始めて右方向へのミスは多いけれど、新しい性能を買い求めたい人向き。『SD』と『DD』でつかまり具合の差はありますが、他ブランドと比べれば、どちらも十分ドローバイアスは掛かっています。右へのミスを怖がらず、しっかり振り抜いていけるクラブ。しかも、シャフトをカスタムすれば、ニュートラルな設定にもなってくれる。とにかく幅広い層のゴルファーにマッチするドライバーといえるのではないでしょうか」
3項目で4.5点が並ぶ総合的に高評価な1W【総合評価4.3点】
【飛距離】4.5
【打 感】4.0
【寛容性】4.5
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.5
・ロフト角:10.5度
・使用シャフト:TENSEI BS Red 40(硬さSR)
・使用ボール:川口グリーンゴルフ専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、川口グリーンゴルフ
■ 筒 康博(つつ・やすひろ) プロフィール
スイングとギアの両面から計測&解析を生かし、プロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイス。インドアゴルフ「ゴルフレンジKz亀戸店」のヘッドティーチャーを務める傍ら、様々なメディアにも出演中。大人のゴルフ選びフィッティングWEBマガジン「FITTING」編集長として自ら取材も行う。