クラブ試打 三者三様

ステルス グローレ アイアンを万振りマンが試打「再現性を高めるスペック」

2022/11/12 07:00

テーラーメイド「ステルス グローレ アイアン」の評価は!?

国内女子ツアー最長のブランク優勝(1988年のツアー制施行後)を果たした金田久美子が使用するテーラーメイド「ステルス グローレ アイアン」。番手別にスイートエリアを設計する新テクノロジーを搭載し、各番手に求められる飛距離性能を発揮するという。そんな同社の自信作を、前作「SIM グローレ アイアン」と比べつつ、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。フルスイング系YouTuber・万振りマンの評価は!?

「やさしさをプラスしたイマドキの“飛び系”」

つかまりの良さからやや左方向に弾道がまとまっていた

―率直な印象は?
「やさしいヘッド×スチールシャフトの組み合わせで、振り心地も少しズシッとくる、しっかりした振り心地で、飛ばせる仕様になっています。ただ、単に飛ばせるだけではなく、飛距離性能にやさしさが加わり、ミスショットが少ないアイアンに仕上がっています」

『速く、軽く、やさしく』をコンセプトに掲げた飛び系アイアン

―スチールシャフトがポイント?
「そうですね。やさしいヘッドに、やさしさを感じやすいカーボンで飛ばすよりも、スチールシャフトで少し硬めのフレックス(「SPEEDER NX」はRとSR/「NSプロ 790GH」と「―950GH」はSのみ)を選ぶことで、狙ったところにボールを運べるスペックとなっています。ややクラブ重量は重めになりますが、再現性を高めたい人にとっては、このようなスペック選びができる点は、とても重要なポイントだと思います」

スチールのラインアップは「NSプロ 790GH」(上)と「―950GH」の2本

―飛距離重視の“飛び系”とは違う?
「弾き感は強く、ボール初速もスピードが出ているので、飛距離は出ていましたが(総距離7I平均199.4yd)、それほど飛距離性能に特化している印象ではありません。ロフト角が立っている設定(7Iで27度)にもかかわらず、高さが十分出てくれるため、以前の飛距離重視型とは違う、やさしさを加えたイマドキの“飛び系”と呼べるのではないでしょうか」

フェース下部でのミスヒットをカバーする「貫通型スピードポケット」は継続

―前作「SIM グローレ」と比べると?
「明らかにここが違うと言い切れないほど、明確な差は見つかりませんでした。わずかな差ですが、『ステルス グローレ』のほうがつかまり感が抑えられて、やさしく真っすぐ飛ばせる性能に進化した気がします。感覚レベルの差ですが、『SIM グローレ』のほうが、やや左に巻いてしまう(フック回転の強い)球筋が多かったです」

純正装備のオリジナルグリップ「ラムキン ST BK/WH CP(口径60X、33.5g)」

―グリップがお気に入りということですが?
「はい。純正グリップでバックライン(後ろ側にあるライン状の盛り上がり)が入っており、クラブを常に同じ感覚で握りやすい形状となっています。ディテールの細工にも憎い演出が施されている点が、『グローレ』シリーズの特徴。所有感の湧くデザインも含め、ブランドファンが多いこともうなずけるつくりに仕上がっているといえます」

「ラウンド中のケガを抑えてスコアがまとまるアイアン」と万振りマン

―どのような人向き?
「アイアンにやさしさを求めている人向き。幅広いターゲット層で、ゴルファーの腕前を選ばないモデルだと思います。HS40m/s以下の人はカーボン、それ以上の人はスチールと選べば、それぞれの最適スペックになるので、試打する際は全体の重量感を把握し、振りやすいバランスを探してほしいと思います」

スペックのラインアップに満足で高得点【総合評価4.4点】

【飛距離】5.0
【打 感】4.0
【寛容性】4.5
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.5

・ロフト角:27度(7I)
・使用シャフト:NSプロ 790GH(硬さS)
・使用ボール:川口グリーンゴルフ専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、川口グリーンゴルフ

■ 万振りマン プロフィール

登録者2万人超えのフルスイング系YouTuber。2017年よりYouTubeにて「-Mr.FULLSWING MEN-万振りマン」チャンネルを開設し、数多くの試打動画をアップ。豪快なフルスイングが話題を呼び、人気に火がつく。日本プロドラコン協会(JPDA)B級プロライセンスを取得。

テーラーメイド
発売日:2022/10/07 参考価格: 148,500円