ブリヂストン B-Limited 415 ドライバーを西川みさとが試打「分かりやすい1W」
玄人好みの小ぶりヘッド HS30m/s台の女子プロ評価は！？
クラブを含む用品使用に関する契約を、ブリヂストンと締結した馬場咲希(代々木高2年)。男子プロ顔負けのハードスペックを好む彼女が使用するドライバーは、2021年発売の限定モデル「B-Limited B1 ドライバー」で、今回はその系譜を継ぐ「B-Limited 415 ドライバー」をピックアップする。ヘッド体積415ccの玄人好みな小ぶりヘッドを、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずは40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。
「全く歯が立たないシビアなモデルでもなさそう」
―率直な印象は？
「私のようなHSの遅いゴルファー(平均35～36m/s)が選ぶモデルではないと思いつつ試打をしたので、貴重な機会をいただけたことが有意義で、とても楽しかったです(笑)。サイズ感は小ぶりで構えやすく、操作性が高い分、思っていたほど悪い結果にはならなかったことに驚きました」
―同シリーズ「B-Limited B1」は、馬場咲希使用で注目されましたが？
「彼女は、一般的なアマチュアゴルファーよりHSは速く、身長も高いため、ヘッドをやや上から入れる(入射角が鋭角)タイプなので、スピン量が入りにくく、弾道は低めに出やすい、ディープヘッドが理想形だと思われます。彼女の主戦場となるツアーのシビアなコースでメリットを得やすいドライバーは、この『B-Limited』シリーズのような、重心が浅めで操作性の良いヘッドではないでしょうか」
―(スイング中)ヘッドは重めに感じる？
「見た目の印象ほど重くは感じません。使用シャフト(「ツアーAD UB」)も50g台だったため、私の力でもギリギリ振り切れるスペックだったこともあり、ロフト角9度でも、ボールはしっかり上がってくれました。正直、私が1ラウンド使うには体力的に厳しそうですが、全く歯が立たないシビアなモデルでもなさそうです。スピン過多でHSが極端に速い人ではなくても、十分扱える印象は受けました」
―シャフトをもう少し軽くすれば扱えそう？
「うーん…、扱えないことはないと思います。ただ、あえてこのヘッドにシャフトを合わせ、無理に使用する必要もない気がします。元々私は馬場さんとは違い、ヘッドもレベル(平ら)かアッパー軌道で、スピンが多いタイプでもなく、できればやさしくボールを上げて打ちたい方なので、スペックを合わせてまで使用したいとは思いませんでした」
―使用はしないけれど、好感触だった理由は？
「見た目と打った難しさが、ちゃんと合っていたからです。ヘッドが大きく、やさしそうに見えるのに、実際にボールが上がらなければ違和感を覚えてしまうもの。その点、『B-Limited』シリーズは小ぶりで、ハードなイメージそのままに実際にボールは上がり切らない。見た目＝性能と断言ができる。非常にシンプルで、分かりやすいドライバーだと感じました」
―どのような人向き？
「HSは最低でも40m/s以上で、スピン量の多さに悩んでいる大型ヘッドが苦手な人向き。460ccのフルサイズが一般化したいま、小ぶりのサイズ感のほうが扱いやすく、構えやすいと感じるゴルファーは、意外と多いと思います。限定販売モデルということで、ターゲットは相当な腕前かパワーの持ち主だと思いますが、はっきりした性格をしている分、顔の印象だけで選んでも失敗しないドライバーといえそうです」
好感触ではあるものの点数は伸びず…【総合評価3.5点】
【飛距離】3.0
【打 感】4.0
【寛容性】3.5
【操作性】4.0
【構えやすさ】3.0
・ロフト角：9.0度
・使用シャフト：ツアーAD UB-5(硬さS)
・使用ボール：川口グリーンゴルフ専用レンジボール
取材協力／トラックマンジャパン株式会社、川口グリーンゴルフ
■ 西川みさと プロフィール
1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。専大時代の1998年に「日本女子学生選手権」で優勝。大山志保・古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場した。2002年のプロテスト合格後は、飛距離こそ出ないものの、ショートウッドを巧みに使う技巧派として、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで人気を集めた。