クラブ試打 三者三様

パラダイム アイアンを西川みさとが試打「名器『X-16』似の構えやすさ」

2023/05/30 07:00

価値観を変えるアイアン HS30m/s台の女子プロ評価は!?

360度カーボンシャーシの搭載で、革新的テクノロジーを世に送り出したキャロウェイ「パラダイム」シリーズ。価値観を大きく変える進化はウッドだけにとどまらず、飛びとやさしさを別次元で両立させたアイアンにも及んでいるという。そんな同シリーズのスタンダードモデル「パラダイム アイアン」を、「パラダイム X アイアン」「パラダイム MAX FAST アイアン」と比べながら、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずはHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。

「イメージより結構小ぶり 対象を選ばない範囲の広さが魅力」

初速スピード(平均:42.9m/s)も飛距離も(7I平均:149.6yd)かなり出ていた

―率直な印象は?
「『パラダイム』シリーズのアイアンと聞いて、勝手にサイズの大きな形状を想像していたのですが、思っていたよりも小ぶりで、操作性の良いモデルに仕上がっています。同シリーズの『―X』はミスヒットに強く、やや大きめの構造となっているため、その分スタンダードモデルはあえて少し抑えたシルエットに仕上げたように感じました」

左からスタンダードモデル「パラダイム」、「―X」「―MAX FAST」※「X」だけ限定モデル

―思っていたよりも小ぶり?
「はい。同シリーズのウッドは先に試打していたので、やさしい性能ということは予想が付いていたため、安心感のわく大きなサイズをイメージしていました。実際はかなり締まったボディで、小ぶり好きな私としては好感が持てます。『スティールヘッド X-16 アイアン(2003年)』を彷彿とさせる同社の特有の丸みを帯びた形状で、新しさの中にどこか懐かしさを味わうことができる不思議な安心感を抱くことができました」

ヘッド内蔵「ウレタン・マイクロスフィア」の範囲がさらに拡大

―「パラダイム X」と比べると?
「(Xは)アイアンが苦手な人が安心感を持てるフォルムになっていると思うのですが、私は上から見た際のトップブレードの厚みが気になります。もう少し全体のスッキリさとグースの度合いが弱くないと、つかまり具合が強すぎて左へのミスが増えてしまう印象を受けます。ただ、不思議とそれほどやさしすぎる感じもありません。スタンダードモデルのクセのない形状と比較すると、少しだけ個性が強いかなと思わせる程度。決して『―X』が極端にボテッとしていて、構えにくいということではありません」

左から「パラダイム」「―X」「―MAX FAST」。トップブレードの厚みとフェース長に注目

―「パラダイム MAX FAST」と比べると?
「軽量モデルという特性を生かした軽快さで、とても振りやすかったです。フェース面は左右(トウからヒールまでの長さ)が長く、アドレス時に少し違和感を覚えましたが、打ってみるとそこが全く気にならなくなるほど、イメージ通りにフェースコントロールすることができます。またトラックマンの数字を見ると(7I総距離:平均152.3yd)、完全に“飛び系”と呼んでもいいレベルの飛距離性能で、同シリーズ3モデルの中では一番飛びに特化している印象です」

ロフト角も形状もオーソドックスな設定となっているスタンダードモデル

―打感の違いは?
「『―MAX FAST』が一番弾き感が強く、インパクト以降で飛んでいるなと思わせます。他の2機種もカチン!と弾きの強い打音がするため、3機種の違いは正直それほど感じません。弾道も打感と同じく、それぞれの違いは明確ではないのですが、『―MAX FAST』が少しだけ高く、前に飛んでいる感じがあります」

「辛口評価はゼロ。どのタイプも特徴があって良かった」と西川

―どのような人向き?
「特に嫌なイメージを抱く人がいないと思えるほど、許容範囲の広いシリーズとなっています。どのような人向きと私が断定してしまうより、打ちやすければ誰でも投入できる仕上がり。同シリーズのウッドとそろえる必要もなく、この3機種の中で選べば大丈夫とお勧めできるほどです。一般的なHSのゴルファー(1Wで40m/s前後)ならスタンダードモデルか『―X』、非力な人なら『―MAX FAST』といった具合に、ミスマッチのユーザーをつくらない“カバー力”が魅力といえます」

飛距離&寛容性が4.5点で“両立”を実証【総合評価4.2点】

【飛距離】4.5
【打 感】4.0
【寛容性】4.5
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.0

・ロフト角:29度(7I)
・使用シャフト:NSプロ 950GH neo(硬さS)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋

■ 西川みさと プロフィール

1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。専大時代の1998年に「日本女子学生選手権」で優勝。大山志保古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場した。2002年のプロテスト合格後は、飛距離こそ出ないものの、ショートウッドを巧みに使う技巧派として、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで人気を集めた。

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