プロギア 05 アイアンを西川みさとが試打「フトコロと振り心地のWスッキリ感」
スタンダードになり得る2代目 HS30m/s台の女子プロ評価は!?
『PRGR IRONs』として2020年より展開している「プロギア アイアン」シリーズ。2代目となる23年モデルは、セミアスリート向け「01 アイアン」、飛び系セミアスリート「02 アイアン」、超深低重心の「05 アイアン」がモデルチェンジした。そんな新たなフラッグシップモデルを、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずはHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが、深低重心でやさしく飛ばせる「05」の試打評価を行った。
「3機種ともアリかも!? 純粋にアイアンらしいアイアン」
―率直な印象は?
「純粋にこれはイイなと思えるアイアン。打った瞬間、イイ、イイとつい唸ってしまうほどでした(笑)。ソール幅は厚めですが、決してユーティリティっぽい感じはなく、ちゃんとアイアンらしいアイアンに仕上がっています。構えて上から見た印象では、分厚く見えず構えやすいのに、十分なやさしさを感じられる。もちろん『01』『02』もシャープな形状で打ちやすかったのですが、特に『05』の性能と見た目のギャップに驚かされました」
―それぞれどういう特徴?
「『05』は、ソール幅が厚めで芝を滑ってくれるため、多少ダフってもミスショットにならないやさしさがあり、安心して振っていける寛容性を持ち合わせています。『02』は『05』に比べてやや小ぶりですが、それでもフェース面は大きく見え、ミスヒットに強い印象を与えてくれながら、シャープな切れ味を感じる性能に仕上がっています。『01』は一番操作性が良さそうな形状ですが、根本的な造りは他2機種と同じで、見た目も性能面もそれほど難しくない。このシリーズにはハード・普通・ソフトという分け方は適当ではなく、それぞれに適したやさしさとシャープさを備えていて、すごくシンプルだけど扱いやすい“スッキリ感”を強く抱きました」
―具体的にスッキリと感じた部分は?
「一番は見た目で、懐(ふところ)と呼ばれるヒールからフェース面にかけてのつながりの部分が、分厚すぎず細すぎない適度な厚みになっているところです。上から見たときに、ヘッド全体がスタンダードでシンプルな三角形に見えます。分厚すぎてしまうと四角形に見えてしまうのですが、比較的に3機種の中で一番サイズの大きい『05』でも、その美しい三角形状を保っています。懐のスッキリ感、基本的なアイアン形状によって、違和感なく構えることができました」
―振り心地のスッキリ感は?
「もともとボッテリした厚みのあるアイアンは、ヘッドが効きすぎて、インパクトで操作できないマイナス点がありましたが、『05』でもヘッドだけが重く遅れてくる嫌な感じはなく、むしろ軽快に振り切れます。『01』『02』のようにスッキリ形状で感じるやさしさと、『05』のようにやさしく感じる形状で、思っていたより振り心地がシャープな感じとでは、抱くイメージは真逆かもしれませんが、結果的にどちらも好意的なスッキリ感としてつながりを感じます。どちらもアリ!? と思える統一感こそ、このシリーズの特徴ではないでしょうか」
―気になるデメリットは?
「今回、気になるところはゼロです。どれも良かった。以前から同社のアイアンの評判は聞いていましたが、実際に打ったところ納得といった感じです。弾道もしっかり高く上がっているので、あとはコースに出たときにスピンがどれくらい入るかが気になりますが、それでも飛びすぎてしまって距離が全く計算できない雰囲気はないので、問題なく扱えると思います。高弾道でキャリーが見込める『05』、適度な高さでピンを狙える『02』、スピンを計算しながらデッドに攻めていける『01』と、ちゃんと3機種の特性が出ていて良かったです」
―どのような人向き?
「ソール幅が厚めでミスを防いでくれる点は、アイアンに自信が持てないプレーヤーや、ボールが上がりきらない人向けといえます。ただ、単純に初級者向けという括(くく)りで選ぶべきモデルではなさそう。どんな球筋で、どんなイメージでターゲットを狙うことが、自分に向いているかをしっかり考えて購入するべき。ズバリ自分が打ちたい弾道で選ぶべきシリーズだと思うので、腕前レベルに関係なく『05』を試してみてほしいと思います」
デメリットなし! 平均点の高い結果に【総合評価4.2点】
【飛距離】4.5
【打 感】4.5
【寛容性】4.0
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.0
・ロフト角:29度(7I)
・使用シャフト:MCI FOR PRGR(硬さM-43/S)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋
■ 西川みさと プロフィール
1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。1998年「日本女子学生選手権」にて優勝し、大山志保・古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場。2002年にプロテスト合格後は、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで活躍。23年国内女子シニア「JLPGAレジェンズチャンピオンシップ」優勝。