クラブ試打 三者三様

パラダイム Ai スモーク アイアンを筒康博が試打「打点と飛びがシンクロする飛び系」

2024/05/23 20:00

「Ai スマートフェース」のアイアン ご意見番クラブフィッターの評価は!?

インパクト時に無数のたわみを発生させ、打ち出し角やスピン量を補正する「Ai スマートフェース」を打ち出したキャロウェイ「パラダイム Ai スモーク」シリーズ。ドライバー同様にアイアンにも同じ新開発フェースを採用し、これまでにないやさしさ、飛び、精度を実現したという。そんな最新シリーズのスタンダードモデル「パラダイム Ai スモーク アイアン」を、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。ご意見番クラブフィッター・筒康博の評価は!?

「フィーリングが向上 アイアンっぽさを残した飛び系」

最初1~2球はつかまった球もあったが 全体的に一定の高さで安定

―率直な印象は?
「大きすぎない適度なサイズ感と、高弾道の打ちやすさ、そしてスイートスポットの広さを感じられるフィーリングが秀逸です。打点がフェースの上か下か、ボールの潰れ方はどんな感じだったかを、ちゃんとプレーヤーに伝えてくれる。多分、打点の真裏(バックフェース)の肉厚が絶妙だからだと思います。前作『パラダイム アイアン』も高評価でしたが、今作のほうがアイアンっぽく、フィーリングが向上しているように感じます」

マッスルバックのようなスマートな形状を実現した中空構造

―フィーリングが向上とは、ミスした打点が伝わるということ?
「ミスしたときの打点だけではなく、ヘッド軌道のバラつきで少し下めに当たったり、ティアップしたときに上めに当たった場合に、打点と飛び姿がシンクロする気持ちよさが向上しているということ。以前までの飛び系アイアンにあった『ここに当たっているのになんでそんな飛ぶの…?』という気持ち悪さがなく、感触と結果に納得できる。言い換えれば、すごく“アイアンっぽい”。しかもボール初速も寛容性も高まっている点が、今作の一番のメリットといえます」

左から「MAX FAST」、「HL」、スタンダードモデル

―兄弟モデル「パラダイム Ai スモーク HL アイアン」「パラダイム Ai スモーク MAX FAST アイアン」と比べると?
「『―HL』は、ヘッド長(トウからヒールまで)が長く、オートマチックな動きをする飛び系の顔ですが、十分に弾道の高さが得られます。もはやロフトが立っているからグリーンに止まらないアイアンは同社に存在しないといえるほど。『―MAX FAST』は、今コーナーでのアイアンの最長クラスの飛び(7Iで平均180.1yd)。実際はここまでの飛距離は望みませんが、現在7番の平均が150ydに届かない人、高さが足りなくてグリーンに止められない人には最適だと思います。これだけ明確に飛距離性能と弾道が異なる3タイプなら、どんなゴルファーも迷わず選べるのではないでしょうか」

トップブレードが分厚いほどではなくシャープな印象を与える

―同シリーズは1WもFWも高評価でしたが…?
「そうですね。確かにシリーズ全体を通して高評価でしたが、それよりも今作を打った感想は、単独アイアンブランドでも通用するほどのクオリティと高い性能を持ち合わせていると感じました。メディアは、どうしてもドライバーばかりを宣伝しがちですが、既にメーカーはドライバーありきで物作りをしていない気がします。FWはFW、UTはUT、アイアンはアイアンと、カテゴリー別にブラッシュアップして、同名だから全てドライバーに合わせる必要がなくなっている。改めてもっと別々に見るべきだし、今企画でもドライバーばかり試打せずにアイアンもしっかり試すべきだと痛感しました」

マイクロディフレクション(無数のたわみ)を起こす「Aiスマートフェース」

―あえて気になる点は?
「先ほど述べたことと重複しますが、同シリーズのドライバーがしっくりこなかった場合に、同名アイアンを試そうという気が起きない点です。もはや独立したアイアンシリーズと言ってもいい性能なのに、そこに気づかれずに購入機会を逃してしまう…。もちろんドライバーが気に入って全てそろえるパターンが一番正攻法ですが、単品ウェッジのように、アイアンだけ『パラダイム Ai スモーク』を選んでもいい。それくらい今作は進化していると思いました」

「ライバルはタイトリスト『T200』、テーラーメイド『P790』といった単独ブランド」(筒)

―どのような人向き?
「見た目の格好よさ、飛距離性能、弾道の高さ、全てがそろうモデルを買いたい欲張りなゴルファー向け。メリットをひとつに絞らず、とにかくスコアに直結するメリットだらけのアイアンが欲しい人なら、絶対に一度は試してみてください」

前作評(4.7点)より上回る5点満点◎3項目の高評価【総合評価4.8点】

【飛距離】5.0
【打 感】5.0
【寛容性】4.5
【操作性】5.0
【構えやすさ】4.5

・ロフト角:28度(7I)
・使用シャフト:NSプロ 950GH neo(硬さS)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋

■ 筒 康博(つつ・やすひろ) プロフィール

スイングとギアの両面から計測&解析を生かし、プロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイス。「インドアゴルフレンジ Kz 亀戸店」のヘッドティーチャーを務める傍ら、様々なメディアにも出演中。大人のゴルフ選びフィッティングWEBマガジン「FITTING」編集長として自ら取材も行う。

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