クラブ試打 三者三様

パラダイム Ai スモーク アイアンを稲場智洋が試打「縦距離を計算できる飛び系」

2024/05/25 20:00

「Ai スマートフェース」のアイアン 大谷似な豪快スイングコーチの評価は!?

インパクト時に無数のたわみを発生させ、打ち出し角やスピン量を補正する「Ai スマートフェース」を打ち出したキャロウェイ「パラダイム Ai スモーク」シリーズ。ドライバー同様にアイアンにも同じ新開発フェースを採用し、これまでにないやさしさ、飛び、精度を実現したという。そんな最新シリーズのスタンダードモデル「パラダイム Ai スモーク アイアン」を、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。顔は“控えめな大谷翔平”&スイングは豪快(HS50m/s)なゴルフテックコーチ・稲場智洋の評価は!?

「見た目はスマート 中身はやさしい 全体のバランスを取った飛び系」

弾道はかなり高く上がっていた(打ち出し角:平均16.1度)

―率直な印象は?
「楽に高さが出るやさしい性能に反し、トップラインが厚くてボテッとした印象はなく、かなりシャープな外観です。他社の中空モデルと比べて、ボディは薄めでコンパクトに感じられます。構えた印象も、同時期発売のテーラーメイド『Qi アイアン』より操作性の高さがイメージできます。ソールした際のすわりも安定していて、ターゲットに対して真っすぐ構えやすい。飛び系の中ではグースの度合いも小さく、スマートな見た目が好印象に映りました

シャープな印象をもたらす中空構造を採用

―実際にボールを打った評価は?
「弾き感が結構強めです。インパクトの衝撃をダイレクトに、そのまま当たった直感通りの出球が生まれる感じ。『Qi』がフェースに一度吸いついてから飛ぶのに対し、今作は弾きが強くて瞬間的に飛んでいくタイプ。打ち出し角は平均16.1度と比較的に高く(Qiは15.5度)、スピン量も平均4211rpmと若干多め(Qiは3869rpm)。飛び系の中でも飛びに特化したタイプというよりは、全体のバランスを取りながら飛距離を追求したモデルという印象です」

心地いい打感をもたらすウレタンマイクロスフィアを全番手に内蔵

―兄弟モデル「パラダイム Ai スモーク HL アイアン」「パラダイム Ai スモーク MAX FAST アイアン」と比べると?
「『―HL』は、比較的に構えた感じもボテッとしていて、典型的な飛び系のイメージですが、弾道はしっかり高く上がり、打ち出し角もスタンダードモデルより3~4度上がっている印象を受けます。つかまりが強いわけではなく、高低の違いだけ。『―MAX FAST』は、他2モデルよりもグースが入っていてつかまり度は強く、純正シャフト(TENSEI 40 BLUE)も40g台ということで、やはりターゲットは女性ゴルファー、もしくは非力なゴルファー、HS40m/s未満向けかなと思います」

7Iのロフト角はスタンダードモデルが28、HLが30、MAX FASTが26度

―スタンダードモデルは初心者向けというより若干アスリート向け?
「うーん…、アスリート向けというよりも、アスリートにも向いているといったところでしょうか。というのも、競技志向の強いゴルファーが使用しても、その寛容性を実感できるからです。ドライバーのHS50m/sの私が振っても縦距離のズレがほとんど起きません。キャリー195yd、総距離200ydで安定していました(7I使用)。アスリートも納得できる縦距離のコントロール性能を持ち合わせています」

左上からスタンダードモデルとHLの純正「TENSEI 50」、MAX FASTの「TENSEI 40」

―シャフトを調整すれば稲場さんでもコースで使える?
「コースで実際に、7番で200yd以上必要かどうかといったところですが、今のところは大丈夫です…(笑)。ただ、年齢とともに力が落ち、体調が優れないときなどは、今作を実戦投入したいと思いました。ドローとフェードの打ち分けは不要な性能なので、シャフトはカスタムして使うというより、できれば純正のまま(TENSEI 50 for Callaway)使用したい。あくまでもヘッドの直進性を活かしてコース攻略したいと思います」

「直進性&寛容性が欲しい方にとっては非常に最適」(稲場)

―どのような人向き?
「ゴルフを始めたばかりの初心者から、スコア100切りが目標の人、平均90台だけど好不調の波で100オーバーする場合もある人など、かなり多くのゴルファーにお勧めできるアイアンです。とにかく真っすぐストレートに、高い軌道でグリーンを上から攻めたい人向け。基本的にスタンダードモデルを目安にし、それでもボールを高く飛ばせない人は『―HL』、軽快に振り切れない人は『―MAX FAST』と、兄弟モデルも検討しながら選ぶとベストな選択ができるでしょう」

HS50m/s稲場はQi評(3.9点)より好印象【総合評価4.2点】

【飛距離】4.5
【打 感】4.0
【寛容性】4.5
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.0

・ロフト角:28度(7I)
・使用シャフト:NSプロ 950GH neo(硬さS)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋

■ 稲場智洋(いなば・ともひろ) プロフィール

1992年5月2日生まれ、栃木県出身。ゴルフショップをしていた祖父の影響でゴルフに触れ、大学時代から本格始動。一度は食品会社に就職するものの、独学でゴルフを勉強し、レッスン業界に。自身もゴルフテックの理論を用いて上達を実感した一人であり、自身の経験を踏まえながらサポートしていく。ゴルフテック恵比寿店勤務。

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