キャロウェイ OPUS ウェッジを西川みさとが試打「アイアンとの一貫性がある丸出っ歯」
溝+2本の新ブランドウェッジ HS40m/s未満の女子プロ評価は!?
今月13日に発売されたキャロウェイの新ブランド「OPUS(オーパス)ウェッジ」。溝と溝の幅を狭くしたことで、前作「JAWS RAW ウェッジ」より溝が2本増え、ラフや濡れた芝の上でもスピン量が安定して増加するという。打ち出し角を低く設定することでコントロール性能もアップした新ブランドウェッジを、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずは、1WがHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。
「『JAWS』よりやんわ~りイメージ ボールを拾いやすい出っ歯タイプ」
―率直な印象は?
「ヘッドサイズは小ぶりで、操作性の高さをイメージできる出っ歯形状のため、とてもコントロールしやすく、また構えやすく感じます。打感はボールに食いつく感触が心地よく、スピン性能もかなり高いです。歴代の同社ウェッジはグースが大きく、オートマチックに動かすタイプが多かったので、それに比べるととても操作しやすい。リーディングエッジ(フェース下部の刃)が丸みを帯びていて、ボールを拾いやすく感じるからだと思います」
―出っ歯形状が好み?
「そうですね。インパクトゾーンでボール下にヘッドを潜り込ませていくイメージを持つと、ボールを運んでいける感覚で打てるため、グースネックよりコントロール性が高いと思っています。またストレートネックのアイアンを使用する私にとって、歯が前に出ている顔立ちのほうが同じ感覚で構えられる。特にフルショットで打つ場合は、アイアンと同じ一貫したフィーリングで打てるため、より精度の高いショットを打てる気がします」
―前作「JAWS」シリーズと比べると?
「前作よりリーディングエッジだけでなく、全体的にヘッドに丸みがあり、シャープな形状だけれども若干のやさしさを感じることができます。その影響からか、打感もよりマイルドになったとは言えないまでも、なんだか食いつく感触が心地よく感じられる。あとは、強そうで怖いイメージの『JAWS』というネーミングより、やわらかい響きの『OPUS』のほうがやさしく、扱いやすく感じるのは私だけでしょうか…(笑)」
―バンカー対応力も高い?
「はい。とにかくフェースが開きやすく、意図通りに砂にコンタクトできます。バウンスの角度がベストなのか、フェース面の形状が絶妙なのか、開いた状態で砂と一緒にボールを拾っていけるイメージがすごく湧く。どんな状況からでもオールマイティに扱えるメリットは、多くのゴルファーが体感できる気がします」
―現在使用中のマイウェッジと比べると?
「テーラーメイド『MG3 ウェッジ』を使用しているのですが、今作のほうがフェース面は小さく、小ぶりでより小回りが利く印象です。もちろんそれでも十分な構えやすさは感じられ、難しくハードで扱いにくい印象は一切起きません。操作性と寛容性のバランスが秀逸で、幅広い層にリーチしたモデルに仕上がっていると感じます」
―どのような人向き?
「もちろんウェッジだけ今作をキャディバッグに入れてもいいですし、同社のツアーモデルアイアンと合わせて購入を考えてもいいでしょう。ロフト角48~60度まで2度刻みの7種類、バウンス角は6~14度の組み合わせがあり、グラインドもS、W、C、Tの4種類とそろっているので、多くの要望に応えてくれる。プロだけではなく、多くのアベレージゴルファーが好んで扱える要素が満載です。今まで同社ウェッジを敬遠していた人も試す価値はあるでしょう。月並みな表現になってしまいますが、すごくやさしくなったツアーモデルといえるのではないでしょうか」
全項目で4.0以上 バランスの取れた納得の出来【総合評価4.1点】
【飛距離】4.5
【打 感】4.0
【寛容性】4.0
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.0
・ロフト角/バウンス角/グラインド:50度/10度/S、52度/10度/S、58度/10度/S
・使用シャフト:NSプロ モーダス3 ツアー115(硬さS)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋
■ 西川みさと プロフィール
1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。1998年「日本女子学生選手権」にて優勝し、大山志保・古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場。2002年にプロテスト合格後は、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで活躍。23年国内女子シニア「JLPGAレジェンズチャンピオンシップ」優勝。