クラブは“顔”が命！ 2020秋の最新アイアンを見比べ隊

アイアンも注目モデル多数！ 新作10本を徹底解説

粒ぞろいのドライバー群となった今秋のクラブ市場。アイアンはドライバーと同シリーズのモデルが多く出る一方で、『JPX921』『APEX』といった根強い人気モデルの新作も登場。これはじっくり“顔”を見比べないとッ！！ ということで、クラブ設計家・松尾好員氏の解説付きで、最新モデル10本を並べた。

やさしいドローヒッター向け「ZX5」

ダンロップ「スリクソン ZX5 アイアン」は、兄弟モデル「ZX7」よりフェースのトウ側が高く、アドレス時に球を少しだけトウ寄りでセットするイメージが湧きます。「ZX7」よりフェースが縦に長く、ソール幅も広いため、やさしさを感じる設計。グースネックになっていて、球をつかまえてドローで攻めたい人に適した顔と言えます。

オーソドックスな形状で操作性重視の「ZX7」

ダンロップ「スリクソン ZX7 アイアン」は「ZX5」よりオーソドックスな形状で、ストレートネックになっていてスクエア感が出ています。フェースの縦の長さは「ZX5」より短く、インテンショナルに弾道を操作できる印象。スコアラインがややヒール寄りにあり、球を引きつけてダウンブローでとらえるフェード系イメージが湧きます。

分厚い当たりができる四角形顔「G425」

ピン「G425 アイアン」はフェースの縦が長く、全体的にサイズ感は大きめで、寛容性の高さを感じることができます。ヒール側が高く設計されており、アドレス時にはヘッド全体が四角形に見え、フェースのスクエア感と力強さを演出しています。グースネックの度合いは強めで、やさしく球をつかまえてくれる雰囲気の顔と言えます。

つかまり抑えめ&抜け感抜群「JPX921」

ミズノ「JPX921 FORGED アイアン」はオーソドックスな形状で、フェースの縦がやや長めのプロモデルです。ストレートネックでスクエアに構えやすい印象。アドレスの際、ライ角にフラット感があるため、球を左につかまえすぎないイメージを持てます。ソール面は丸みを帯びた形状で、抜けの良さを感じることができます。

フェードヒッターに合う「ツアーB 201CB」

ブリヂストン「ツアーB 201CB アイアン」はオーソドックスな形状で、フェースの縦が短いプロモデル。インテンショナルに弾道を操作できるイメージが持てます。スコアラインがややヒール寄りに位置しているため、球を引きつけてダウンブローに打てる人、なかでもフェードが持ち球の人にマッチすると言えます。

ストロングロフトの代表格「UD+2」

ヤマハ「インプレス UD+2 アイアン」はロフト角がかなり立っていて、7番でも5番のような印象を受けます。フェースの縦が長く、寛容性の高さが伝わる形状。アドレス時にキャビティ部分が見えるほどソール幅は広く、まさにUT的アイアン。バウンス角がほぼゼロなので、ターフを取らないレベルブローの人向きと言えます。

やさしさのある飛び系「SIM グローレ」

テーラーメイド「SIM グローレ アイアン」はフェースの縦が長く、ロフト角が非常に立っているため、やさしい飛び系アイアンといった形状です。強いグースネックとトップラインの丸みから、球を包み込むイメージが持てます。ソール面のトウ側からヒール方向への丸みが強く、どのようなライでも適応できる印象を受けます。

スクエアに球をとらえやすい「TR21-X」

本間ゴルフ「ツアーワールド TR21-X アイアン」はオーソドックスなフェース形状と適度なグースネックで、スクエアに構えやすい雰囲気が出ています。トップラインのヒール端（ネックの付け根）が厚く角度もあるので、フェース全体が四角形に見える設計。スクエアに球をとらえるイメージが湧く顔立ちに仕上がっています。

操作性重視のプロモデル「X FORGED CB」

キャロウェイ「X FORGED CB アイアン」は、フェースの縦が短く、操作性重視のプロモデル設計です。ストロングロフトではないため、上から見てもフェース面がよく見え、しかもグースネックということで、やさしさを感じさせます。ソール面のバウンス角が大きく、しっかりダウンブローで打てる人向きと言えます。

ソリッドな感覚を生むマッスル「APEX MB」

キャロウェイ「APEX MB アイアン」は、フェースの縦がとても短く、ストレートネックのプロモデルです。トップラインもかなりストレートで、フェースの逃げ感を演出。「X FORGED CB」と同様にバウンス角は大きく、ダウンブローに打てる人向きです。マッスルバックのため、より打感が良いソリッドなショットをイメージできます。

25度から34度まで… ストロングロフト順

自分好みの“顔”は見つかっただろうか？ 今回取り上げた全10モデルの7番アイアンのロフト角を小さい順（ストロング順）で並べてみた。25度から34度まで、同じ番手でも最大9度の差があるバラエティに富んだラインアップということが分かる。アイアンを選ぶ際の参考にしてみてはいかがだろうか。