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あす発表のテーラーメイド「SIM2」を公開画像から勝手に大胆予想

2021/01/19 17:00
※R&A公式サイト「Conforming Driver」ページから引用

昨年の大ヒットモデルとなったテーラーメイド「SIM」シリーズ。その後継モデルと見られる、2021年モデル「SIM2」が、あす20日に発表される。すでにSNS上では画像や情報が飛び交っているが、まだベールに隠れた部分は多い。そこでR&AおよびUSGAの公認クラブリストに掲載された画像をもとに、有識者5人に考えられる性能を予想してもらった。

SIM2 MAXのネジの周りには『HIGH』『MOI』の文字のみが記載
SIM2 MAX-Dはネック側にネジがあり、『HIGH MOI』『DRAW』の文字が…

掲載されたモデルは「SIM2」「SIM2 MAX」「SIM2 MAX-D」の3モデル。それぞれ現「SIM」シリーズの後継と予想でき、大きく分けると、操作性の高い「SIM2」、安定感も併せ持つ「SIM MAX」、ドローバイアスのかかった「SIM2 MAX-D」という、ユーザーの目的に合わせたラインアップになりそうだ。

■ソール画像から推測する2つの改変ポイント

ゴルフギア界のご意見番・マーク金井氏は、「実は、前作『SIM』の目玉となったテクノロジー『イナーシャ ジェネレーター(ソールの突起)』が、左右に可動式になると予想していたのですが、あっさり外れました(笑)」と前置きしたうえで、2つの注目ポイントを挙げた

※米国テーラーメイドのYoutube公式チャンネルにて

「1つ目は、2017年の『M1ドライバー』から付いていたスライド式ウエイト調整が無くなった点。代わり前方にウエイトと思われるネジが付いています。これが大きな要素となっていることは間違いありません。2つ目は、ソールに配したカーボンの面積が増大した点。当然クラウンにカーボンを使用していますが、今回はソールにもかなり広範囲で使用されています。後方の『イナーシャ ジェネレーター』の先が黒くなっていますが、そこがウエイトになっていて、前方と後方で重量を配分して、高慣性モーメントを実現していると思われます」

■慣性モーメント&浅重心の合わせ技

カリスマクラブコーディネーター・鹿又芳典氏は、「前シリーズでも最もユーザーに支持された『SIM MAX』の後継である『SIM2 MAX』への期待値が高いです」と、注目モデルを挙げた。

マキロイが振り上げたヘッドはまさにSIM2

「『SIM』シリーズから大きく変わった点は、ボディ構造です。カーボン占有率が高くなり、クラウンは当然、ソールも相当カーボン化されています。フェース側に付いたネジがウエイトになっていると考えると、重心は前側になっていると予想できます。浅重心にすることで、低スピン化を促進し、より強弾道を生む。それに反し、慣性モ-メントも高くしていると考えると、インパクトのブレにくさと振りやすさを両立したモデルに仕上がっていると考えられます」

■ヘッド内蔵のL字型重心調整機能付き

ゴルフギア専門誌「PCM」編集長・村田辰也氏は、「『HIGH MOI』『LOW SPN』と書かれたネジの先がL字型になっていて、その先端にウエイトが装着されている重心コントロール調整機能付き。ネジを回すと重心が動く画期的な調整機能付きになっていると予想します」と、斬新なアイデアを口にした。

公式Youtube動画の中で一番ヘッドに寄ったシーン

「ネジ周辺の文字『MOI(慣性モーメント)』と『SPIN(スピン)』が記されてあるところに着目すると、慣性モーメントを大きくすることと、スピンを抑えることを相関して考えていることが分かります。ネジの先にL字型のウエイトが装着され、ヘッド内部で左右に動かし、重心をコントロール。ヘッド中央の軸線上にウエイトを持ってくると重心は深くなり、逆にフェース側に持ってくると浅くなる。そんな秘密のテクノロジーが、ネジの先に隠されているのではないでしょうか」

■軽量化と反発性能を高めた骨格フレームボディ

最新モデル事情に詳しいトレンドウォッチャー・コヤマカズヒロ氏は、「最新モデルの流行となっている“骨格フレーム型ボディ”を採用してくるのではないかと睨んでいます」と、別の視点を入れた。

ヘッドのパーツ素材を示す画像に「FORGED ALUMINUM」の文字が…

「20年モデルであるコブラ『SPEEDZONE』、本間ゴルフ『ツアーワールド TR20』、プロギア『egg エクストリーム』、オノフ『オノフ赤 RD5900』といった多くのモデルで骨組構造のヘッドが採用されています。『SIM』シリーズも、この構造ボディにすることで、カーボン比率を高め、軽量化と反発性能を高めていると思われます。余剰重量を大幅につくることで重心設計の自由度が増し、ネジと見られるウエイトによって、タイプの異なる3機種を演出していると予想します」

■海外ブランド進化のゴールが見えてくる

現代クラブの開発背景を知り尽くすギアエディター・高梨祥明氏は、「テーラーメイド、キャロウェイ、ピンの3社が取り組んでいる進化の方向は、ほぼ同じ。そしてそれがこの5年でゴール付近まで到達した、と考えて良いと思います」と切り出す。

ウッズが見つめるヘッドはSIM2?それともSIM2 MAX?

「海外ブランド3社は、高慣性モーメント化、反発エリアの拡大、空力性能のアップ、この三本柱の要素を向上させようと、ギリギリのラインでしのぎを削ってきました。特に昨年登場のピン『G425』、今回発表される2社のニューモデルでこの“路線”での進化は極まったとみています。性能が極まれば、あとはユーザーが自分にフィットさせやすい特性の違う複数の重心タイプを選べば良いわけで、この点でも3社はとても類似しています」