女子パーオン率TOP3が選んだアイアン 全員クラブ契約フリー
国内女子ツアーの2020-21年シーズンは、前週の「明治安田生命レディス」で16試合を消化した。主要スタッツを振り返ってみると、パーオン率のランキングで興味深いことに気づく。1位の大山志保、2位の岡山絵里、3位のイ・ミニョンのトップ3はいずれもクラブ契約フリーなのだ。そこで今回、メーカーの縛りがない彼女たちが厳選し、安定したショットを支えている使用アイアンを紹介する。
3位:イ・ミニョン(74.3%)/ミズノ JPX921 TOUR アイアン
ツアー通算5勝のイ・ミニョンは、フリーになった2019年からミズノ製アイアンを使用。現在は20年に発売された軟鉄鍛造モデル「JPX921 TOUR アイアン」に切り替えている。米国男子ツアープレーヤーの意見が盛り込まれ、重心距離は浅めの設計。ショートアイアンのソール幅を狭く調整することで、上級者が求める抜けの良さを実現したという。今年から契約フリーになった、男子ゴルフ元世界ランキング1位のジェイソン・デイも使用する。
女子では比較的ハードなモデルに入るが、イ・ミニョンの選択には、ツアー屈指のパワーヒッターならではの説得力がある。「ミズノのアイアン、最高です! 打感と操作性が良くてとても使いやすく、なんの違和感なくチェンジできました」と信頼は厚い。女子ツアーの契約フリー選手では同じく飛ばし屋の穴井詩、そして堅実性が売りの宮里美香も同モデルを使用しており、人気ぶりが興味深い。
2位:岡山絵里(75.1%)/住友ゴム工業 スリクソン Z585アイアン
2020年からフリーに戻した岡山は、19年に契約していた住友ゴム工業の「スリクソン Z585アイアン」を使用する。18年に発売されたポケットキャビティモデルで、飛距離性能とミスヒットに強い扱いやすさがプロ・アマを問わず人気。現在も愛用するプロは多く、21年初戦の「ダイキンオーキッドレディス」を制した小祝さくらも長く使用を続けている。
岡山は同モデルを選ぶ理由として、「構えたときの顔と打感が良くて、ミスの幅も少ないことです」と3つのポイントを挙げた。
1位:大山志保(75.2%)/ピン i200 アイアン
堂々のパーオン率1位に立つ大山が昨年から使用するのは、2017年モデルのピン「i200 アイアン」。大山は11年から6年間ピンと契約していただけに馴染みは深く、契約フリーとなった19年以降も同社クラブへの信頼は厚いようだ。広いスイートエリアを備えるキャビティモデルながら、見た目はシャープでプロの評判も高い。17年には宮里優作が国内男子ツアー初の『72ホールノーボギー優勝』を達成した際の使用アイアンとして話題になった。
大山は21年に入って以降、左鎖骨痛のためツアーを離脱中。次週に地元・宮崎県で開催される「アクサレディス」での復帰を目指し、調整を続けているという。