まさかの“チタン回帰説”も!? テーラーメイド「Qi10」を勝手に大胆予想
テーラーメイドの2024年発売モデルと目される「Qi10(※名称未確定)」。14日にR&Aと全米ゴルフ協会(USGA)が統括する適合リストに「LS」の名が刻まれたモデルが掲載され、「DPワールドツアー選手権」ではロリー・マキロイ(北アイルランド)ほか、同モデルをテストする選手が目撃された。「ステルス」シリーズからの刷新? カーボンフェースは継承? など憶測が飛び交うなか、気になるキーテクノロジーやヘッド特性を有識者4人に予想してもらった。
目次
- シリーズ名は「Qi10」 1モデルはスライドウエート付き「LS」
- 残り2モデルが激変? まさかの〇〇フェース
- スリーブが軽量化? より「FORGIVENESS」な方向に
- ヒントはウエート位置? 高慣性モーメント化は必至
- “10mm”単位で重心移動? 画期的スライドウエート誕生
シリーズ名は「Qi10」 1モデルはスライドウエート付き「LS」
現状の情報から推測できる事実は下記の5項目。以下の内容を踏まえてシリーズ構成から予想してもらう。
・シリーズ名は「Qi10」とみられる。
・1モデルは「Qi10 LS(エルエス) ドライバー」とみられる。
・「LS」はカーボンフェースが搭載されているっぽい。
・「LS」はソール前方(フェース側)にスライドウエートが搭載されているっぽい。
・「LS」は「スピードポケット」「イナーシャ ジェネレーター」といった過去のテクノロジーを踏襲しているっぽい。
残り2モデルが激変? まさかの〇〇フェース
独自の見解でゴルフクラブを見定める“試打職人”ことマーク金井氏は、「シリーズ構成は3機種展開で間違いないでしょう。リストアップされた『LS』=ロースピンモデルは、過去の『―プラス』に値する中上級者向けで、残り2機種はスタンダードモデルと『HD』の後継。では、なぜ残り2機種が遅れて掲載されるのか? 新たな試みとなるテクノロジーが搭載されいるからではないでしょうか」と考察を始める。
「『ステルス』シリーズで、2代続けてカーボンフェースを展開してきましたが、定着するほどのスマッシュヒットとは言い切れません。そこで同社は新たな展開を用意している気がするのです。予想では3つのパターンが考えられます」
「1つ目は、カーボンorチタンフェースをユーザーが選べる“ダブル体勢”で、ヘッド構造は同じまま素材違いのフェースを2枚から選べる案。2つ目は、カーボンフェースに金属を複合させた“ハイブリットフェース案”で、既に多くのシャフトメーカーでは採用しているカーボンに別素材を複合したコンポジット構造を、フェースに採用するというもの。3つ目は、潔くチタンフェースに戻す案です。思いきりのいい展開スピードと常にユーザーを驚かせ続ける同社だけに、残り2モデルのフェースには意外性を持たせてくると踏んでいます」
スリーブが軽量化? より「FORGIVENESS」な方向に
マーク氏と同じフェース素材の変更を予想したのは、YouTubeチャンネル「試打ラボしだるTV」を主宰するトレンドウォッチャー・コヤマカズヒロ氏。
「例年では年末か年初に開始されるマークダウン(値下げ)が、前作『ステルス2』は10月末から始まりました。売り上げが当初の見込みより下回ったのではないかと推測します。そこでカーボンフェースを諦め、アベレージゴルファー向けの2モデルでは、チタンフェースに戻す可能性が高いと思います」と分析する。
「チタンフェースに戻すとともに、後方のみに重量を集中させていた『ステルス2』シリーズから一転、周辺にも重量を配分し、慣性モーメントを高めてくると予想します。画像のスリーブをよく見ると、以前のものよりシンプルになっているように見えるので、重量を取られていたネック周りも軽量化し、その分を周辺に当てる。前作でコンセプトに挙げていた『FORGIVENESS(寛容性)』をさらに重視させたやさしい性能に仕上げてくる気がします」
ヒントはウエート位置? 高慣性モーメント化は必至
コヤマ氏と同じく、重心設計にポイントを置くのはクラブコーディネーターの鹿又芳典氏だ。「『LS』画像のウエート位置に着目すると、シリーズ全体の構造が予想できる」と、全モデルの重心傾向について言及した。
「画像を見ると、『DRAW(ドロー)』のポジションにスライドウエートが置かれていますが、この位置がちょうどフェースセンターに見受けられます。『LS』=ロースピンモデルということで、浅めの重心設定と予想しますが、ウエートがほぼ中央に位置してもプロがそのまま扱える設計に仕上がっている。微調整が不要なほどヘッドとしての完成度が高く、そもそもシビアな構造ではない気がするのです」
「ツアープロ向け『LS』の構造を踏まえて全体の特徴を推測すると、ヘッド後方だけではなく左右にも重量を配し、慣性モーメント値を上げてくるのではないでしょうか。3機種とも『ステルス2』シリーズよりスピン量は適正値に近づき、ボールは上げやすく、フェースはスクエアに戻しやすい設計に変化していると予想します」
“10mm”単位で重心移動? 画期的スライドウエート誕生
スライドウエートに着目したのは鹿又氏だけではない。「ゴルフ用品総合カタログ」を発行するユニバーサルゴルフ社・村田辰也氏は、「前作『ステルス2 プラス ドライバー』と比べてスライドウエートの左右の幅が短い点を考えると、この画像の『LS』がスタンダードモデルの可能性も考えられる」と、他者とは違った視点で予想を展開する。
「『Qi10』では、スタンダードモデル(LS)とプラスの2機種にスライドウエートを搭載することで、より調整機能に重きを置いたシリーズになる気がします。前作までは、ネジ付きのウエートがそのまま動くだけでしたが、今作はネジ位置を固定したままでもウエートだけをスライドできるように、左右に穴が開いているのが確認できます。ネジごとパカッと取り外せて動かすこともできるし、ネジを固定したままウエートを動かすこともできる。細かな調整を可能にし、これまで以上に内部重心を繊細に動かすことができる新システム。もしかして『Qi10』の『10』は、重心が1mm単位で移動できて最大で“10mm”動かせることから名付けられたのではないでしょうか(笑)」
「10」を「10mm」とした村田氏をよそに、左右上下の合計慣性モーメント値「10k」=1万とみる声が多かったネーミング説。「Qi」については、コヤマ氏は「Quantum inertia(飛躍的な慣性?)」、村田氏は「Quality Index(品質の指標)」「Qi(ワイヤレス給電の国際標準規格をヒントに、ゴルフクラブの国際標準的システムを目指す?)」と思い思いに想像を膨らませていたが、果たして的中する案は出るのか!? とにかく年始に予想される発表日が待ち遠しい。