楽器のヤマハ×ゴルフのヤマハ みなとみらいで「仕事帰りに一杯」的試打会
みなとみらい線の新高島駅は、高層ビルが林立する横浜市の中心エリアにある。広々とした道路をひっきりなしに車が行き交い、平日休日を問わず人であふれるビジネス街だ。そんな都会に、この日(20日)は甲高い打球音が響いていた。ゴルファーであれば耳が自然と反応するであろう、ドライバーがボールを弾く快音である。
今年5月に開業した複合施設「横浜シンフォセンター」の2階には、“グランモールプラザ”というデッキ広場がある。音のするほうに足を運ぶと、ゴルフの防球ネットが設置され、ドライバーからパターまでクラブがずらりと並んでいる。ヤマハ(本社・静岡県浜松市)が20日に発売した新シリーズ「インプレス ドライブスター」メンズモデルの試打・発売イベントを開催していたのだった。
でも、いったいなぜこんなビル街で? ヤマハのゴルフ事業担当者は次のように狙いを話す。「世間的にはヤマハといったら楽器かもしれませんが、『ゴルフもやっている』とイメージを持ってほしかったんです。もちろんゴルフ好きにも来てほしいけど、普段ゴルフに触れていない人、興味はあるけどやっていない人にもぜひ来てほしいと思って」。ターゲットは会社帰りのビジネスパーソンや、休日の家族連れなど幅広い。実際、ビジネス街らしからぬグリーンのネットは多くの通行人の目を引いていた。
ネットを越えると、屋内にヤマハの楽器ショップが見える。店内では音楽好きたちが“試し弾き”に没頭しており、ギターやバイオリン、トランペットなどさまざまな音色が響いていた。かたやエアコンの効いた室内にきらきらと輝く楽器を並べ、かたや厳しい残暑のなか手作りのネットの下でゴルフの試打会を行っている。これが同じ「ヤマハ」なのだから面白い。
「これまで、『楽器のヤマハ』と『ゴルフのヤマハ』って交流してこなかったんです。今後は“社内異業種コラボ”というようなこともしていきたいと思っています。今回の試打会は、楽器側も好意的に受け取ってくれました」(同担当者)
楽器屋を出てそのまま試打スペースにやって来た人もいたという。「うちがゴルフをやっているというのは知らなかったみたい」。今後はヤマハを通じて、ピアニストやバイオリニストのあいだでゴルフが流行るかもしれない…?
今回は2日間(20、21日)のみだったが、今後も同じスペースを使って「(イベントの)構想はあります」とのこと。“仕事帰りに一杯”、“買い物ついでに寄り道”のノリで立ち寄ってみたいものだ。(横浜市西区/合田拓斗)