ついにXXIOファンも親から子へ 世代を超えた “ゼクジョ会”潜入ルポ
「ゼクジョ会」をご存じだろうか。そもそも「ゼクジョ」とは、住友ゴム工業(ダンロップ)が展開する「ゼクシオ」ブランドに興味を持つ女性、もしくは実際にクラブを愛用する女性ゴルファーのことを指す。彼女たちを対象にした、レッスンや最新ギアの試打体験、交流会などを楽しめる女性限定イベントが「ゼクジョ会」というわけだ。
10月上旬、その年イチの熱いイベントが行われるという情報をキャッチ。応募総数200人以上の中から抽選で選ばれた72人(パープレー!)の精鋭たちが参加するという。横浜市内のゴルフレンジに集まったゼクジョたちのリアルな実態を調査してきた。
施設に入るとまず目に飛び込んできたのが「#ゼクジョ」のハッシュタグ。フォトブースやフェースペイントコーナーに印字され、SNSを意識した演出はいかにも女子会っぽい(男性向けイベントにはないのだろうなぁ…)。歴代ゼクシオのポスターを眺めていると、参加者が続々と会場入りしてきた。女子プロが登場すると「わぁ~!」という歓声が上がり、華やかな空気に包まれた。
ゼクジョ会の人気の秘密は、その豪華なお土産にもあるだろう。参加者のひとりにお土産バッグの中身を見せてもらうと、グローブやタオル、ボールペン、ボール、マーカーなど充実したアイテムばかり。「参加費たった1000円で、レッスンも受けられ、こんなにお土産を頂き感激しています」と笑顔を見せる。
お土産を受け取った後に、レッスン会がスタート。女子プロの中島世衣良、青山加織、押尾紗樹が参加者1人につき10分の個別レッスンを行った。ドライバーだけでなくアイアン、ウェッジなど好みのクラブでレッスンが受けられ、使用クラブはゼクシオ以外でもOKというフトコロの広さにはどこか余裕を感じられた。
レッスンがひとしきり終了した後、参加者は席に戻って軽食を楽しむ。先ほど技術指導に励んでいたプロたちも各テーブルを回って、積極的にゼクジョたちと交流していた。中には推しの青山プロからトートバッグにサインをもらい、「夢みたい!」と喜ぶ参加者も。同じテーブルに座った参加者同士で自撮りをしたり、談笑する姿を見て、当選倍率が3倍近くに達する理由が分かった気がした。
はてさて、ゼクジョ会の参加者はどんな人たち?
では、ゼクジョ会に応募してきた熱い女性ゴルファーとははどんな人たちなのか。3人に感想を聞いた。
まずはゴルフ歴15年というAさん(仮名)。元々イベントが好きなAさんはインスタグラムでゼクジョ会の存在を知った。「ゼクシオは使っていないのですが試打やレッスンにひかれて応募しました」という。「過去にもゼクジョ会に参加していて、これまでで仲良くなった方と今でも交流が続いています。きょうもまた新しい出会いがあってうれしい」と笑顔で話した。
続いてゴルフ歴8年のSさん。女性ばかりの華やかな空間が楽しく、「女性ゴルファーと知り合える機会は貴重です」と話した。普段知り合うことができない、女子ゴルフ友達ができるのを期待しているという。現在は80切りを目指してスクール通いを続けている。これまでは別メーカーのクラブを使っていたが、周囲がみなゼクシオを使っていることから、今回初めて買い替えたそうだ。恐るべし影響力…。
3人目は、この会でひと際目立っていたNさん。何より若くて、初々しい感じはベテランユーザーの多いゼクシオと無縁そうな雰囲気だが…。隣の打席にいた女性と一緒に話を聞くと、なんと親子で参加しているそう。隣の席にいたゴルフ好きの母の誘いで会に飛び込んだ。ゴルフ歴は1年ちょっとで、初心者用のクラブセットを購入。そのときドライバーはゼクシオにこだわったという。
その理由は「打った時の音の良さ」に一目惚れならぬ“一聞き惚れ”したから。「色々と試打したのですが、ゼクシオの甲高い音が良かったんです。これしかないって即決でした」。今回、青山プロにドライバーショットのレッスンを受け、上達のきっかけをつかんだという。「普段のレッスンよりも実戦的でした。正しいスイングプレーンというのを初めて教えてもらって、ドライバーの苦手意識が少し克服できました」と喜んだ。
潜入したゼクジョ会は、最後まで楽しめるコンテンツが盛りだくさんで、大盛況のまま幕を閉じた。練習場やゴルフ場に行っても男性ゴルファーが多い中、同世代の女性ゴルファーと出会える貴重な機会は、彼女たちにとって非常に有意義な時間なのだろう。参加者は初心者からベテランまで幅広く、ゴルフ経験の浅い筆者も「いつかは参加者として女性ゴルファー仲間を作りたい」、そう思える内容だった。もし周囲にゴルフ仲間を作りたい女性ゴルファーがいたら、「ゼクジョ会」の存在をぜひ紹介してほしい。(編集部・仮屋美遊)