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クラブフィッティングは今後のトレンドになる!?

2017/12/14 11:45

日本にもクラブフィッティングの波がやってきた

オーダーに合わせてクラブを組んでいくことが今後主流になる?

ゴルファーのスイングは十人十色であり、万人に合うクラブは存在しない。「このクラブは自分に合っているのか…」と思っている人は少なからずいるだろう。米国では定着しているとされるクラブフィッティングだが、最近では日本でもその波が押し寄せつつある。

フィッティングの元祖と言えばピンゴルフ

ピンゴルフは「どんなに高性能のクラブを開発しても、スペックがマッチしていなければ、性能を最大限に発揮できない」と考えている

米国に本社を置くピンゴルフは、日本に進出して以来、フィッティングに軸を置くメーカーだ。パブリックリレーションズマネージャーの山口尚子さんは「プロパー品(既製品)とフィッティングとの比率は、米国だと4対6ほど。日本はリピーターが多く、フィッティングの比率が高くなります」と話す。

日本ではフィッティングをするメーカーが少ないこともあるが、全国341店舗で公認フィッターが802人在籍(※11月15日現在)していて人材面は万全。ソフト面でも、身体を測定して最適なライ角を見つけるカラーコードなど、フィッティングのノウハウが確立されている。さらに、受注した後は、自社内で組み立てを行うことで品質管理を徹底し、いち早くユーザーの手元に届けている。

“フィッティングありき”に乗り出したミズノ

ミズノはフィッティングツールを使い、誰でも簡単にフィッティングできるシステムを開発

ミズノが9月に発売した「ミズノプロ シリーズ」はフィッティングしてから販売する方式を採用し、業界の話題となった。「フィッティングはゴルフ歴が長く、上手な人のためのもの」という固定概念を払拭するため、簡単に適したクラブを提案できる「シャフトオプティマイザー3D」というツールを開発した。ユーザーはクラブに装着して、3球打つだけ。これでスイングを解析し、自分に合ったヘッドとシャフトの候補を絞りこむことができる。

全国350店舗あるミズノゴルフカスタムフィッティングショップで実施し、注文から最短3日で購入者に届く仕組みを構築している。同社は今後もカスタムフィッティングに比重を置いて、事業を進める方針だ。

ゴルフ練習場がフィッティングの場所を提供

三浦技研は10月5日、埼玉県の越谷ゴルフリンクス内に「三浦技研フィッティングスタジオ」をプレオープンした。同社はかねて大手メーカーのOEM製造を中心に行ってきたほか、自社ブランド商品を販売している。営業部の寺村次郎氏は「従来のような感性重視のモノ作りから、科学的なデータ解析などに基づくヘッドづくりの下地になる施設として位置づけています。当社のクラブは、一般的なクラブに比べ2倍から3倍ほど高額。お客様に納得して購入いただくために寄与できるのでは、と考えています」とする。

スタジオには300本の試打クラブを用意。スイング解析や弾道測定ができる最新機器を備えており、脳波といったものまであらゆるデータを取れる。フィッティングスタジオの予約はすでに年内は埋まっている。正式オープンは来年1月の予定。

「フィッティングしてから買ってもらう」販売方法の分岐点へ

このように、ゴルファーの購入意欲を刺激する施策の一つとして、フィッティングを重視する流れは広まりつつある。日経平均株価は一時26年ぶりに2万3000円を超え景気は底堅いようにも見えるが、ゴルフ市場は依然として苦しい状況にある。商品の性能だけでなく、付随するサービスを高めることで他社との差別化を図る試行錯誤が続く。