S吉クンのゴルフ研究

S吉クンのゴルフ研究 report.5 この木は何の木?

2015/03/26 10:00

この企画も5回目を迎え、次なる研究対象を探してますますテンションを上げて飛び回るS吉クン。今回彼が抱いた疑問は、「ゴルフ場には色んな木が植わっているけど、あれって何か意味があるのかな~?」ということ。皆さんも知っているようで意外と知らないゴルフ場の植栽について、ゴルフ倶楽部成田ハイツリー総支配人の永井秀和さんを突撃取材しました。

(取材協力/ゴルフ倶楽部成田ハイツリー

ゴルフ場の木に隠された3つの意味

(左上)戦略木の例。ピン方向を邪魔するように植えてある/(右上)隣ホールと区切っている安全木。特に高い木(矢印部分)はティグラウンドへの打ち込み防止用/(下2点)景観木の例。ホール移動の際の気分転換などにも配慮しているとのこと。

(S吉)はじめまして、S吉と申します!ゴルフ場のことを調べている新米研究者です。永井さんがとても物知りだという噂を耳にしまして、いきなりですがやってきてしまいました。よろしくお願いします!

(永井)新米らしくやる気まんまんでいいですね!で、何を聞きたいんでしょうか?

(S吉)今回は、ゴルフ場の樹木について研究しようと思っています。

(永井)なるほど。ではさっそくですが、ゴルフ場にはいろいろな樹木が植えられていますよね。実はそれらには3つの意味があるというのをご存知ですか?

(S吉)えっ!? そうなんですか?

(永井)ゴルフ場の樹木は、「景観木」、「戦略木」、「安全木」の3つに分けられるんです。

(S吉)私、まだ新米なもので。もう少し分かりやすく説明お願いします!

(永井)やれやれ、しょうがないですね(笑)。どれも読んで字のごとくなんですが、「景観木」は、景色を良くするためや見て楽しむためのものです。「安全木」は、例えば、ホールとホールを区切るためや、ティーインググラウンドやグリーンへ、よそのホールからボールが打ち込まれるのを防ぐ役割を果たしていることが多いです。「戦略木」は、ゴルファーに球筋を限定させたり、空中のハザードになったりなど、ホールの戦略ルートを難しくするために植えられていることが多いですね。

(S吉)「あの木がなければ真っすぐ狙えるのに!」みたいなことはよくありますね。

(永井)それが設計家の意図なんですよ。

GC成田ハイツリーでは、木の種類が一目で分かる名札がついている。プレイヤーには嬉しい心配りだ。

(S吉)それぞれ、どんな種類の樹木が使われることが多いんですか?

(永井)「景観木」には、桜や梅、もみじ、松、かえでなど、日本人が観賞用としても好む樹木が使われることが多いですね。「戦略木」は、松が使われることが多いです。「安全木」には、成長が早い木が使われることが多く、具体的にはメタセコイヤなどです。なかには景観木と戦略木を兼ねているなど、複数の意味を持たせている植栽もあります。そこが設計家の腕の見せ所でもありますしね。

(S吉)このコースも背の高い立派な木が多いです。そういえば、コースの名前も「ハイツリー」です。やはり、高い木が名物だからですか?

(永井)いいえ。かつてのオーナーが“高木”さんだったのです。

(S吉)クラブ名がダジャレだったなんて!

今回のS吉クンまとめ!

コース内の樹木には「景観木」、「戦略木」、「安全木」の3種類がある!

コースに行ったら、それぞれの植栽の意味について考えてながらプレーするのも楽しいだろう。特に、戦略木の位置や大きさに注意してプレーすれば、設計家の罠に引っ掛からないかもしれないぞ!