ゴルフ雑学 コースの水分管理
先々週、先週とグリーンスピードの話からグリーンにまく砂、それからゴルフ場全体で使われるさまざまな砂についての話を富里GCグリーンキーパーの北野慎一さんに伺ってきました。今週はコースやグリーンの維持管理についてです。普段私たちが知らない苦労や工夫があるようです。
(取材協力/富里ゴルフ倶楽部)
USGA方式のグリーンとは
(北野)ところで、グリーンってどのくらい水分量があるかご存知ですか?
(S吉)えっ? ちなみに、普通の地面でどのくらいなんでしょうか?
(北野)ラフなど、土の地面になっているところでだいたい30パーセントくらいです。
(S吉)となると、グリーンはもう少ししっとりしているのかなぁ?
【↑動画を参照】(~実はグリーンは水をあまり吸わない。雨水などを表面ではじき、傾斜に沿って流して排水するためだ~)
(北野)富里GCのようにUSGA方式のグリーンは、いわゆる砂のグリーン、“サンドグリーン”と呼ばれているんです。つまり、土と砂だとどちらが乾いていますか?
(S吉)あ! 砂ですね。
(北野)そうです。ですから、グリーンは、土よりも乾いていてだいたい15パーセントくらいの水分量が適正と言われています。なので、それ以下になってくると散水をするようにしています。
(S吉)なるほどー。
(北野)10パーセント以下くらいになると芝の色が変わり始め、7パーセント以下で芝が枯れると言われています。
水分計で測定しながらグリーンをメンテナンス
(S吉)ところで、その水分量何パーセントというのは、どうしたら分かるのですか? 長年の経験と勘ですか?
(北野)いえ、水分計という機械で測ることができるのです。毎朝グリーンのコンディションをチェックして、スプリンクラーで散水したり、スプリンクラーで上手く散水できない場所にはジョウロを使って散水します。
(S吉)うわー、それは大変ですね。
(北野)確かに従来は、グリーンキーパーの勘で散水する場所や散水量を決めていたりしたのですが、ここでは、まず目視で芝の状態をチェックして、怪しそうな場所は水分計で水分量をチェック、その上で散水をしますので、よりきめ細やかなグリーンのメンテナンスができるようになったのです。
(S吉)毎朝、どんな風に芝をチェックしているのですか?
(北野)本当に芝が乾いてくると、芝が呼吸していないというか、芝に露が乗らなくなるんですよ。その時点で「ここはヤバイな」って分かるんですよ。でも、そこまでじゃない場所は、見ても分からないんですよね。そういうところで……。
(S吉)水分計の登場ですね!
(北野)そうですそうです。そこで、水分計を使って、根の深さと同じくらいの場所の水分量を測るんです。
(S吉)なるほど。いやー、根の深い話ですね。
(北野)(そういう意味だっけ?)
今回の役立つゴルフうんちく
・グリーンの水分量は15パーセントくらいが適正で、10パーセントくらいから変色し始め、7パーセント以下になると枯れてしまう!
・富里GCでは、グリーンを毎朝チェックし、露が乗っていないなど乾いていそうなところは水分計で水分量を測り、適正な場所に適正な量の散水を行っている。