ゴルフ雑学 標高が高いゴルフ場の番手選び
飛距離が出やすいコースが存在するらしい
ゴルファーのみなさん、飛んでますか? ……え、飛んでない? そんな方に朗報です。なんと、何もしなくてもボールがよく飛ぶゴルフ場というのが存在するらしいんです。というわけでGDOゴルフ研究所のS吉クン、今回は飛距離が出やすいと噂の鳴沢ゴルフ倶楽部の統括グリーンキーパー、渡辺文洋さんのところに突撃取材してきました。
(取材協力/鳴沢ゴルフ倶楽部)
高地=空気抵抗が少ない
(S吉)こんにちは。このゴルフ場が「飛ぶ」と聞いてやってまいりました! 普段飛距離が出ない私を「飛ばし屋」にしてください!
(渡辺)分かりました。でもその前に勉強しましょう。S吉さんは研究者なんですから。
(S吉)(しまった。忘れてた)は、はい!
(渡辺)では早速。なぜ、ここ鳴沢ゴルフ倶楽部はボールが飛ぶのでしょうか?
(S吉)えー、なぜでしょう? 富士山がきれいに見えて気持ちがいいから?
(渡辺)うーん。惜しい。実はこのゴルフ場は、標高1,000メートルにあるんですね。標高が高いということは?
(S吉)あ、そうか! 気圧が低いから、空気抵抗が小さいんですね!
(渡辺)正解です。さすが、研究者!
(S吉)いやー、それほどでも。
標高1,000メートルで番手が1つ違う
(S吉)ところで、平地のコースと標高の高いゴルフ場とでは、どれくらい飛距離が違ってくるんでしょうか?
(渡辺)だいたい、標高が1000メートル高くなると、気圧が約1割低くなるんです。私の場合、平地で150ヤードを打つのは6番アイアンか7番アイアンなのですが、ここでそのクラブを持つと150ヤードを超えてしまいます。体感的にも1番手くらい飛んでいる印象です。
(S吉)それは、お客さんも喜ばれるんじゃないですか?
(渡辺)そうですね。「ヤーデージの表示がちょっと甘いんじゃないの?」なんて言って、グリーンオーバーしたのを喜んでいるお客さんもたまにいらっしゃいますよ。でも、もちろんそんなことはなくて、標高が高いので実際によく飛んでいるのです。
(S吉)ドライバーも飛ぶんですよね?
(渡辺)もちろんです。気圧だけではなく、湿度が低いことも好影響かもしれませんね。あと、開放感からかヘッドスピードが上がってしまう人もたまにいらっしゃいます。
(S吉)そ、そうなんですか? ますます早くプレーしたくなってきました!
よく飛ぶことを利用したコース設計者の罠
(渡辺)でも、ここ鳴沢ゴルフ倶楽部でプレーする時は注意が必要なんです。
(S吉)と言いますと?
(渡辺)このコースは、名匠井上誠一氏にコース設計を学んだ嶋村唯史氏が設計したコースなのですが、この標高差もうまく設計に取り入れているんです。
(S吉)どういうことですか?
(渡辺)例えば、普段なら届かないと思えるような場所にハザードが設置してあるんです。7番ホールがそうで、ティショットで260ヤードを打つと、池に入るんです。260ヤードと聞くと届かないという人が大半だと思いますが、実際に打つと想像以上に飛んでしまい、その罠にはまってしまうんですね。
(S吉)逆に「260ヤードの池に入っちゃったよー」なんて喜んでいる人も多そうですね。
(渡辺)「標高が高い鳴沢でプレーした」ということを隠して自慢する人も多いみたいですよ!
(S吉)その手を私も使わせていただきます!
今回の役立つゴルフ雑学
・標高の高いゴルフ場は、空気抵抗が小さくなるのでボールがよく飛ぶ!
・平地のコースと比べて飛距離が出るので、クラブの番手選びには注意が必要。標高1,000メートルで1番手短いクラブが目安。