lesson-topics

“サーフェス”を知ろう/シャウフェレのパッティングコーチ デレク・ウエダを知ってるかい?(2)

2023/08/21 13:58

デレク・ウエダ(DEREK UYEDA)と聞いてピンときた方はどれぐらいいるだろうか。地元サンディエゴでこそ知られたコーチだった彼の名前は教え子のザンダー・シャウフェレの活躍とともに一躍、米国全土に知れ渡った。日本ではまだ馴染みはないかもしれないが、彼が開発したパッティングプレートは国内ツアーでも使用する選手が多くいるほど。シャウフェレ以外にも、エミリアノ・グリジョ(アルゼンチン)、チャーリー・ホフマンらのツアー選手、サンディエゴステート大などの学生も教えている。普段の選手とのやり取りや、パッティング上達のヒントを聞いてきた。(2話目/全3話)

「速いから難しい」、「遅いから簡単」というわけではない

―PGAツアーは様々なコースで開催されます。グリーンのコンディションが試合ごとに異なりますが、どうアジャストするのでしょう。

確かに、グリーンの「サーフェス」(表面)は試合ごとに違います。ベント芝とバミューダ芝だと、転がりがまったく違いますし、同じベントでもコンパクションが違えば、まるで別のサーフェスになります。たとえば、メジャークラスのグリーンは硬くて、まるでバスタブの上でパッティングしているような感覚ですね。そういうグリーンはもちろん速くて難しいですが、芝目の影響が少なく、打ち出し直後にボールが跳ねたりといったイレギュラーが少ないという側面もあります。逆に、触るとスポンジみたいな感じがする軟らかいグリーンは、それほど速くならないので、タッチにあまり神経質にならなくていい。その代わり、芝目の影響を考慮する必要があるのと、ボールが跳ねやすいというデメリットもあるわけです。トリ―パインズGCなどは、すごくバンピー(でこぼこしてボールが跳ねやすい)ですね。

オースティンキャディ(写真右)も含めて3人で話し合うことも多い

―グリーン表面がどういう状態なのかチェックすることが、タッチを作る第1歩だと。

イエス。どんなグリーンでもスロープはスロープ(仮に1%の傾斜であれば、その影響はグリーン上のどこでも同じ)なので、そこにどれだけ「グレインプル」(grain pull、芝目の影響のこと)を加味するかというのが、グリーンリーディングの基本。サーフェスの情報を正確に把握するほど、グレインプルを的確に予測できるということです。ザンダーは芝目の読みが的確なので、バミューダ芝のグリーンなどは大得意ですよ。

―日本のプロは、芝の順目、逆目をかなり気にします。

順目と逆目だと、逆目のほうが難しいですね。なぜかというと、インパクトで芯に当たらずに打ち出し条件が少しでも悪くなったときに、逆目のほうがスピードに対する影響が大きい(転がりが悪くなる)のです。

―「打ち出し条件」という言葉が出ました。打ち出し直後にボールが跳ねたり、無回転で滑る時間(スキッディング)が長くなりすぎたりしないようにするコツはありますか。

パターのロフトを適正なものにするということですね。ロフトがありすぎると跳ねやすいですし、少なすぎると打ち出し直後の転がりが悪くなります。逆に言うと、ロフトさえ適正なら、打ち出しに関してはあまり考えなくてよくなります。

両手の間隔が空き、指を絡めるようにグリップしている

―シャウフェレは両手の間隔が広く指を絡めるような独特なグリップをしています。グリップがストロークや打ち出し条件、ボールの転がりに影響を与えることは?

グリップの違いで、ストロークが変わることはありません。どう握るかは完全にプレーヤーの好みの問題。手にフィットしていて、フェースがどこを向いているかを感じられさえすれば、どんな握り方でもいいと、私は思っています。ザンダーの「たこ足」のようなグリップを教えたのは、彼の父で、私がグリップに関して何かアドバイスしたことはないですし、もしかしたらグリップの話すらしたことがないかもしれないですね。

―「しっくりくる」握り方を、どう見つければいいでしょう。

結局は、いろいろ試してみるしかないでしょうね。ただ、自分の感覚だけが基準なので、どれだけ個性的な握り方でも問題はありません。もし、自分で気に入っている握り方を変えなければいけないケースがあるとすれば、パフォーマンスに結びついていないとき(特定の方向に外れやすい、など)だけです。(取材・構成/服部謙二郎)