カン違いだらけのゴルフルール

バンカーの水たまりにボールが入った。救済できるよね?どうやるんだっけ?/ルールQ&A

2025/01/20 10:50

ガードバンカーに入れてしまった。しかも運の悪いことに、ボールは水たまりの中。救済できるのは知っているが、その方法がちょっと曖昧。正しいルーリングは?

雨の日のあるある。こんなときどうすれば…

■1
罰はなし。水たまりを避け、バンカー内の打てる場所ならどこでもいいのでドロップしてプレー。

■2
罰はなし。水たまりを避け、ホールに近づかない救済のニヤレストポイントにドロップしてプレー。

■3
罰はなし。水たまりを避け、ホールに近づかない救済のニヤレストポイントから1クラブレングス以内にドロップしてプレー。

救済できるのに、処置を間違ってしまったら元も子もないよね。

◇◇◇◇

正解は「3」

■3
罰はなし。水たまりを避け、ホールに近づかない救済のニヤレストポイントから1クラブレングス以内にドロップしてプレー。

【解説】
一時的にできた小さな水たまりは「異常なコース状態」で罰なしで救済が受けられます。選択肢は2つ。罰なし救済は、ジェネラルエリアと同様に、バンカー内の水たまりを避け、ホールに近づかない完全な救済のニヤレストポイント(基点)から1クラブレングス以内の「バンカー内の救済エリア」に、元のボールか別のボールをドロップできます(規則16.1c)。

選択肢は二つになった

また2019年のルール改定からイラスト図のように、1罰打を受けて「バンカー外の救済エリア」にドロップできるようになりました(規則16.1c(2))。方法は、ホールとボールを結んだ後方線上の好きなところにボールをドロップする。ドロップ地点から1クラブレングスの円内に止まればOK。後ろに戻る距離は自由で、ボールは交換することができます。(ルール解説&イラスト/小山混)
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<ゴルフ規則>(抜粋)
規則16
異常なコース状態(動かせない障害物を含む)、危険な動物の状態、地面にくい込んだ球からの救済
規則16.1c バンカー内の球の救済
プレーヤーの球がバンカー内にあり、そのコース上の異常なコース状態による障害がある場合、そのプレーヤーは(1)に基づく罰なしの救済、または(2)に基づく罰ありの救済のいずれかの救済を受けることができる:
(1) 罰なしの救済:バンカーからプレーする。プレーヤーは規則16.1b に基づいて罰なしの救済を受けることができる。ただし、:
・完全な救済のニヤレストポイントと救済エリアはそのバンカーの中でなければならない。
・そのバンカーに完全な救済のニヤレストポイントがない場合、プレーヤーは、救済エリアのための基点としてそのバンカー内の最大限の救済を受けることができるポイントを使用することにより、この救済を受けることもできる。

(2) 罰ありの救済:バンカーの外( 後方線上の救済) からプレーすること。1罰打で、プレーヤーは元の球か別の球(規則14.3参照)を、元の球の箇所とホールを結ぶ線上で、そのバンカーの外にドロップすることができる(球をドロップすることができる後方の距離に制限はない)。ドロップしたときにその球が最初に地面に触れた線上の箇所が救済エリアを定め、その救済エリアはその地点からどの方向にも1クラブレングスとなる。しかし、次の制限がある。

救済エリアの場所の制限:
・元の球の箇所よりホールに近づいてはならない。
・同じバンカー以外であれば、どのコースエリアでも良い。しかし、
・ドロップしたときに球が最初に触れたのと同じコースエリアでなければならない。

出典/(公財)日本ゴルフ協会発行2023ゴルフ規則/定義より

■ 小山混 プロフィール

イラストレーター、ゴルフルール研究家。東京生まれ。立教大学卒。新聞・雑誌・Webで複雑なゴルフルールをやさしく解説。ゴルフは鹿沼CCの月例競技会にエントリー。HDCPは17。著書に『はじめてのゴルフルール』『New! いちばんたのしいレクリエーションゲーム』(主婦の友社)、『英語とゴルフ一石二鳥』(ゴルフダイジェスト社)がある。

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