上達ヒントの宝箱

アプローチの距離感は体の回転量で決まる!

2010/09/27 10:15

体の回転量で掴むアプローチの距離感

「大きい!」と思って、慌てて引いたり、「届かない!」と、慌てて足したり。そんな人をよく見かけます。しかし、スイング中に慌てて足したり引いたりすれば、スイング軌道は乱れ、ミスは必至です。こうした事態を避け、迷わず自信を持って振るためにも、自分の距離感を養っておくことが肝心です。今回は、距離感を高めるための大原則を伝授しましょう。

いつも一定のスピードで振ること

大きなバックスイングをしたにもかかわらず、「強い」と思って、急減速しないこと(上写真)。また、小さなバックスイングなのに「弱い」と思って、慌てて急加速するのもNG(下写真)。スイング軌道を安定させるためにも、距離感を養うためにも、急減速、急加速は御法度です。振り幅が変わっても、常に一定のスピードで振るように心がけてください。

前後の振り幅を変えないこと

テークバックとフォローの振り幅を変えないこと。腰の高さまで上げたら、フォローも腰まで。肩まで上げたら肩まで。一定のスピードで振ることに加えて、このポイントを守れば、ダウンスイングで手が突っ込んだり、インパクトで手が緩んでしまったりといった、ミスも避けられます。インパクトの強さではなく、振り幅で距離感を調節しましょう。

常に体の正面にクラブがあること

距離感を養う以前の、アプローチの大原則でもありますが、いつも体の正面にクラブヘッドがあるように振ることが肝心。距離が短いと、つい手先だけで振ってしまいがちですが、どんなアプローチでもクラブと上半身を一体にして、クラブヘッドを体の正面にキープすること。小手先ではなく、体をしっかり回すことが、距離感を掴むコツです。

まず2つの振り幅で自分の距離を把握する

以上の原則を守って、ようやく自分の基準を作る準備が整いました!次は、2つの振り幅で自分の距離を把握しましょう。腰から腰まで。そして、みぞおちからみぞおちまでの、2つの振り幅です。まずはサンドウェッジで基準を把握してください。私の場合は、腰から腰まで振って30ヤード。みぞおちからみぞおちで、45ヤードです。

体の回転量を意識するのが極意!

さて、ここからが極意!振り幅で距離感を出していく上で、私が意識するのは腕を振り上げる高さではなく、体の回転量なんです。腰から腰のスイングでは、どのくらい体を回しているのか?みぞおちからみぞおちではどうか?小手先ではなく、大きな筋肉を意識して、体を回す量と飛距離の関係を掴んでください!

あとは迷わず決めた幅で振るだけ

2つの振り幅の基準ができれば、その距離では自信を持って振れますし、ついスイング中に慌てて加減するミスも減ってきます。体の回転量と距離感を意識して練習すれば、ヤード刻みのコントロールもできるでしょう。あとは、自分がジャッジした振り幅で、迷わずに振るだけです。

【撮影協力】ロッテ皆吉台カントリー倶楽部

■ 足立智明プロ プロフィール

昭和46年生まれ。日本大学ゴルフ部を経て平成6年にプロ転向。大学3年時に全日本パブリック選手権3位、全日本学生選手権5位、プロ転向後は96年フジサンケイCLで39位などがある。学生時より中嶋常幸プロに師事。同期には久保谷健一など。現在は千葉県のおゆみ野ゴルフガーデンで独自の身体理論を使ったレッスンを展開中。