正しい体重移動で飛ばせ!
体重移動を詳しく理解する!
体重移動を上手く利用することでクラブヘッドスピードが加速し、飛距離アップが可能となります。しかし、体重移動は絶対に必要な動きではありません。アプローチやパッティングのように体重移動を使わないでスイングをすることで、方向性やコントロール性が高められます。しかし、ドライバーなどのクラブでは飛距離が求められますから、積極的に体重移動を利用するべきです。
軸が前へ流れてしまうミス
間違った体重移動の例を紹介しましょう。目標方向への体重移動を意識するあまり、軸が不安定になるケースです。アドレスとインパクトでは軸がほぼ同じ位置にあるべきなのですが、過度な体重移動を行うと軸が流れてしまいます。これでは極端にハンドファーストなインパクトになってしまいます。その結果、ロフトが立ち弾道が低くなったり、ロフト角度を適正にするために手首を必要以上に使ってしまうといったミスが起こります。
軸が後ろに残ってしまうミス
もう1つよく見かける体重移動のミスは、ダウンスイング以降の体重移動が上手く行えず、後足の上に重心が残ってしまうケースです。この様なスイングになってしまう人は、フェース向きやグリップ、またはクラブスペックに根本的な問題があり、低い弾道しか打てないという悩みを持っています。スイング軸をボールよりも後ろに残すことで、インパクト時のロフト角度を増やして、高弾道を打つ工夫をしているのです。
体重移動の量と軸の位置の関係
体重移動を理解する上で最も重要なことは、体重移動の量と軸の位置の関係です。安定したインパクトを得るためには、軸の位置がアドレスとインパクトでほぼ同じになっていることが重要です。体重移動が大きくなれば、クラブを振る勢いが増します。しかし、軸の移動量も大きくなり、インパクト時の軸の位置が不安定になります。正しい体重移動をマスターして軸の位置が安定すれば、理想的なスイング軌道と入射角度が得られます。
元の位置へ戻るのが正解!
まず、体はスタートした位置に対して前後に動くのではないことを理解しましょう。正しい体重移動は、まずバックスイングで後足方向へ移動することから始まります。この時、後足方向へ動いた勢いを反動として利用し、ダウンスイングで体をアドレスの位置へ戻します。これが正しい体重移動です。つまり、体重移動の目的は目標方向へ大きく動くことではなく、軸の位置をできるだけ保ちながらスイングに勢いをつけることなのです。ですから正しい体重移動は意外と小さな動きとなります。
ステップドリル~バックスイング
ステップドリルを行うことで正しい体重移動がマスターできます。方法を紹介しましょう。まず、スタンスを狭くして左足つま先の前にボールを置きます。次に、後足へ一歩踏み込みながらバックスイングをします。この時の注意ポイントは、クラブが先に動き出すのではなく、足が先に動くことです。クラブが先に動く場合は、腕主導のスイングになっている証拠です。
ステップドリル~ダウンスイング
ダウンスイングは前足を目標方向へ踏み出すことでスタートします。この時も足が先に動き始めます。足⇒腰⇒肩⇒腕⇒クラブの順で動きます。アウトサイドイン軌道でスライス系の弾道を打つ人は、腕が先行して動いているはずですので注意してください。この様に正しく体重移動を行うことができれば、ヘッドスピードが加速して大きな飛距離を得られるだけでなく、安定したクラブの動きも得られます。
【取材協力】
KEN HORIO GOLF ACADEMY
TOTAL GOLF FITNESS
■ 堀尾研仁&鈴木真一コーチ プロフィール
多数のツアープロのコーチングをこなす傍ら、「KEN HORIO GOLF ACADEMY」を主宰し、アマチュアゴルファーのレッスンにも取り組む堀尾研仁。その堀尾氏の片腕としてアカデミーを支えるのが鈴木真一コーチ。ジュニア時代より堀尾氏の指導を受け、華々しいジュニア大会経歴を持つ。現在は指導者として、アスリートゴルファーから初心者まで幅広い支持を受けている。