アイアンショットの基本!
アイアンでボールを上げるには?
初心者の場合、アイアンショットが上手く打てない人は多いものです。その理由は、インパクトの正しいイメージを持っていないからです。ゴルフボールが空中に上がる仕組みを理解しましょう。トップやダフりなどのミスが出る人は、アッパーブロー(上昇軌道)でインパクトすることにより、ボールが空中に高く舞い上がると思っているものです。しかし、実際にはダウンブロー(下降軌道)でインパクトすることで、高弾道が生まれるのです。正しくダウンブローでインパクトすると、クラブがボールの下に潜り込み、その際にボールにバックスピンを与えます。バックスピンのかかったボールは、空気に当たることで浮力が加わり、空中に高く舞い上がるのです。
ダウンブローで打てない例-1
正しいダウンブローのインパクトができないミスを紹介します。まず、ボールを空中に高く打ち出したいという意識から、インパクト前に手首の角度を開放してしまうケースです。この症状を一般的にはアーリーリリースと呼びます。この状態になると、クラブの最下点がボールよりも手前になるので、トップボールが出やすくなります。また、上手くインパクトできたとしても、ロフトが増えた状態でインパクトをするので、ボールは必要以上に高く舞い上がり、十分な飛距離を得ることができません。
ダウンブローで打てない例-2
ダウンブローでインパクトできないミスをもう1つ紹介します。インパクトで軸を右足方向に倒してしまうミスです。軸が右足方向に傾くとインサイドアウト軌道が作られます。緩やかな軸の傾きであれば、レベルブローでドローボールが打てます。しかし、このドローボールを求め過ぎると、軸の傾きが強くなりスイングの最下点がボールよりも手前になってしまいます。結果的にダフりや、プッシュボールなどのミスが発生してしまいます。このタイプのミスは、ドローボールの打てる中・上級者によく見られます。
ダウンブローでボールをとらえるコツ
正しくダウンブローでインパクトするためには、2つの注意ポイントがあります。まず始めに、インパクト時のスイング軸(背骨)をアドレスとほぼ同じ位置にすることです。軸を安定させる為には、頭の位置とボールの見え方に注意を払えば良いのです。アドレス時のボールの見え方と、インパクト時のボールの見え方が同じになっていれば、スイング軸はアドレス時と同じ位置にあるはずです。もし、インパクトでボールを真上から見ていれば、軸が目標方向に傾いているはずです。反対に極端にボールの後ろ側(側面)をみていれば、軸が右足方向に傾いていることになります。
ハンドファーストを作る!
正しくダウンブローでインパクトする為の2つ目の注意ポイントは、ハンドファーストでインパクトすることです。この形を作りやすくする為に、アドレスで手元がヘッドよりも前に位置するようにしましょう。次に、手首の力を抜いてスイングします。手首の力が抜けていれば、バックスイングでリストコック(折れる動き)が作られます。そして、切り返しでは下半身の引っ張りにより手首の角度が一瞬維持されます。その結果、インパクト時には手首の角度が完全に開放されず、ハンドファーストのインパクトが作られます。
ダウンブローをマスターするドリル
ダウンブローのインパクトをマスターする為の練習方法を紹介します。まず、名刺を一枚用意してください。この名刺をボールの前に置き、ボールと名刺を一緒に打ちます。イメージはボールを打つというよりも、名刺を拾う感じです。クラブがボールとコンタクトした後、名刺の手前から地面に入り、名刺の先から出てくるイメージを持ってスイングします。正しいダウンブローのインパクトができれば、ボールと一緒に名刺が目標方向へ飛ぶはずです。上手く名刺が飛ばない人は、最初はボールを置かずに名刺だけを打つ練習を行いましょう。
ドリルのポイント
このドリルを行う際の注意点を紹介します。アッパーブローのインパクトになってしまう人は、ボールは打てても名刺が打てないはずです。この様な人は、強いダウンブローをイメージして、地面の芝をしっかりと取る様に心掛けてください。しかし、頭を目標方向へ移動させてスイングすることは禁物です。これではダウンブローが強くなり過ぎて、ザックリやスライスなどのミスが発生してしまいます。腕の力を抜いて遠心力を感じながらスイングしましょう。遠心力により腕が体から離れることで、適正量のターフが取れるのです。
【取材協力】
KEN HORIO GOLF ACADEMY
TOTAL GOLF FITNESS
■ 堀尾研仁&鈴木真一コーチ プロフィール
多数のツアープロのコーチングをこなす傍ら、「KEN HORIO GOLF ACADEMY」を主宰し、アマチュアゴルファーのレッスンにも取り組む堀尾研仁。その堀尾氏の片腕としてアカデミーを支えるのが鈴木真一コーチ。ジュニア時代より堀尾氏の指導を受け、華々しいジュニア大会経歴を持つ。現在は指導者として、アスリートゴルファーから初心者まで幅広い支持を受けている。