上達ヒントの宝箱

物理を使いこなせば飛びヂカラ増強!第4章 プレーン・セット編

2011/05/02 12:15

飛ばしの力感、漲ってますか?

ハーフバックから、さらにクラブが90度位置を変えたポジションがプレーン・セットの状態です。ハーフバックから漫然とトップに向かうのではなく、敢えてこのポジションに着目した理由は2つあります。

一つはハーフスイングから、正しいプレーンをキープして、フルスイングに展開する上で欠かせないこと。もう一つは、飛ばしに欠かせない正しいリストコックの働きでチカラを貯めて、エネルギー感のあるトップ位置へとつなげるためです。まずは、その力感についてお話ししましょう。

ヘッドカバーを引っ張る感覚

ハーフバックから漫然とトップに至るのではなく、プレーンにセットする際は、右腕と左腕の力がせめぎ合うような感覚が大切です。

左右の手を離してヘッドカバーを持ってみます。アドレスでは当然左手がカラダに近いわけですが、ハーフバックの位置からプレーンにセットする時には、写真のように左手が外で右手が中へと入れ替わります。このとき、左腕は押し、右腕は体の方に引っ張るような、綱引きの状態になります。これをクラブに持ち替えてみると・・

左腕で押しながら右腕で引く感覚

ハーフバックでは、テークバックから左腕で下にグリップを押し込む作用によって、自然にクラブヘッドが離陸する「入れ替え」が行われることは前回お話しした通りです。ハーフバックから、プレーン・セットに至る動作でも、同様の「入れ替え」が行われます。

ハーフバックから左腕が地面と水平になるあたりまでに、左手でグリップエンドをターゲットの反対方向に押すと同時に、右のグリップを体に引きつけることで、クラブは90度位置を変えてプレーンに入ります。ヘッドカバーの綱引き感覚のように、グリップの中で左は押し・右は引くという力の拮抗関係を意識しましょう。この拮抗感があると・・・

理想的なコックが自然に入ります

実際に、クラブを持って体感してみて下さい。左腕で押し、右腕を引きつけるとどうでしょう。左手首は甲側に折れたり、手のひら側に折れたりしませんよね。自然に右手の親指方向に角度がつくはずです。

左腕で押すというのは、肩甲骨から動かしてくる動きにつながり、いわゆる左肩が入った状態ができるので、この段階でトップの形が出来上がります。右腕と左腕で左右のグリップの中に拮抗感を作れれば、自然と正しいコックが決まり、正しいトップ位置へとつながるのです。

左手首が甲側や手のひら側に折れれば、フェースが開いたり閉じたりして、フェース面のコントロールを失いトップ位置も乱れます。左腕は押し、右腕は引く力感があれば、フェース面の乱れを封じることができるのです。

左腕はターゲットラインと平行になる

3次元的な体の位置を細かく見ていきましょう。まず、このポジションでは、左腕がターゲットラインと平行になります。この状態で、右腕と左腕の綱引きを行うわけですから、左腕ターゲットと反対方向に押し、右腕はターゲット方向に引きつける形になります。左肩は自然と深く入り、上体の捻れるパワーも蓄積されます。

シャフトはプレーンを外さずに立ち上がる

上半身、腕、クラブのワンピース感を保ったハーフバックに成功していれば、そこから左腕をターゲットと反対方向に押し、右腕をターゲット方向に引きつけるだけ。これだけで、前述のように理想的なコックが入り、シャフトはプレーンを外すことなく、クルッと90度向きを変えて立ち上がります。

クラブがアウトサイドに上がったり、インサイドに上がったりと軌道が不安定になることもありません。また、右にスウェーしたり、上に伸び上がったりといったNGアクションも回避できるのです。

プレーンのセットに成功すればトップはほぼ成功!

このポジションは理想的なトップを作るための、見逃せないプロセスです。このポジションでプレーンへのセットに成功すれば、理想的なトップがほぼ約束されるといっても過言ではありません。次回はこのポジションから、極上のトップへとつなげる体の使い方を詳説いたします!

【撮影協力】グッドフィールドゴルフクラブ

■ 永井延宏 プロフィール

1969年埼玉県生まれ。日大桜丘高校ゴルフ部でキャプテンを務め、卒業後に渡米。ミニツアーに参戦しながら最先端ティーチング技術を学ぶ。その後独自のスイング理論を展開し、ツアープロコーチ、アマチュアゴルファー指導をこなす傍ら、雑誌やレッスンDVDなどで活躍。現在は都内のグッドフィールドゴルフクラブ、アナライズ神田スタジオを中心にゴルフスクールを展開中。
・ホームページ http://www.deepingolf.com
・ツイッター @nobunagagolf