上達ヒントの宝箱

物理を使いこなせば飛びヂカラ増強!第5章 トップ編

2011/05/06 12:15

飛びヂカラを増強させる力強いトップへ!

前回は、左腕で押し、右腕を引きつける綱引きの力感が、プレーン・セットのポジションを形作るというお話をしました。そして、そこからいよいよ飛びヂカラを増強させる力強いトップへと至ります!

トップではクラブが視界から外れ、正しい位置を制御しにくいポジションともいえます。しかし、理想的なプレーン・セットが完了していれば、正しいトップはほぼ成功しているといえます。前回の内容を、是非復習して下さいね。

プレーン・セットの力感をそのままトップへ!

ハーフバックから漫然とトップに至るのではなく、左腕を押し右腕を引きつける力感を持って、プレーン・セット。その力感を保ったまま、胸をグイッと右に回せば、トップの完成です。つまり、正しいプレーン・セットができたなら、胸を回すだけでいいんです。その感覚としては・・・

プレーン・セットの位置から真上に突き上げる感覚

トップというと、左肩を深く回そうとして、腕が体の背後に入り、その反作用でクラブが頭の後ろに回り込みクロスしたトップになってしまう方を多数見かけます。しかし、飛びヂカラを増強させるトップは、おそらく、みなさんの感覚とはまるで違うのです。その感覚は、プレーン・セットの位置から、左腕の拳をそのまま直線的に、真上へ突き上げるような感じです。

プレーン・セットの位置から、ただ真上に上げるだけなら、クラブはターゲット方向に平行にはならないはずですが、それは違います。

プレーン・セットの力感によって正しいトップに収まる

感覚としては、胸を回しながら、左腕の拳を真上に突き上げるだけ。しかし、プレーン・セットで作った左腕の押しと右腕の引きの拮抗があるので、真上に突き上げた左腕を、右腕が引きつけます。左腕の突き上げで作った高さを、右腕の引きつけで潰してくることで、トップ位置へたどり着きます。左腕の押しは肩甲骨を動かすので、左肩が入ったフトコロの大きいトップとなり、左右の腕の拮抗は、ボールを叩くのに十分な力感があると思います。そして、飛びヂカラをMAXまで蓄えた、トップの全身感覚は・・・

左足とグリップが引っ張り合う力感

写真のように、左足にゴムを結びつけて引っ張ると、飛びヂカラ溢れるトップの感覚が分かります。真上に上げようとする腕に対して、それを上がるまいと左足で踏ん張る。この下半身と上半身の力のせめぎ合いが、理想的な体の連動を生み、飛びヂカラが最大限に蓄えられるのです。

緊張感のないルーズなトップだと・・・

左腕は突き上げ、右腕は引きつけ、さらに左足とグリップが引っ張り合うように体が連動する。トップはダウンスイングへと起爆する一触即発の状態です。

しかし、こうした各部の力の拮抗がなく、緊張感のないルーズなトップでは、ターゲットラインに対してクロスしたり、オーバースイングになったり、右肘が暴れたり、さまざまな問題が生じます。飛びヂカラがたまらない上に、ボールに当てることすら難しいスイングになってしまうのです。

クラブを2本持ってプレーンを体感

理想的なトップは、前述の通り、ターゲットラインに平行になります。レイドオフといわれる、コンパクトなスイングでもシャフトはオンプレーンにあり、クロスするような外れ方はしません。

トップの位置を視認ことはできませんが、このように2本のクラブを使えば、シャフトの方向を確認できます。トップの正しいポジションを体で感じながら、飛びヂカラをMAXに蓄える力感を是非マスターしてください!

【撮影協力】グッドフィールドゴルフクラブ

■ 永井延宏 プロフィール

1969年埼玉県生まれ。日大桜丘高校ゴルフ部でキャプテンを務め、卒業後に渡米。ミニツアーに参戦しながら最先端ティーチング技術を学ぶ。その後独自のスイング理論を展開し、ツアープロコーチ、アマチュアゴルファー指導をこなす傍ら、雑誌やレッスンDVDなどで活躍。現在は都内のグッドフィールドゴルフクラブ、アナライズ神田スタジオを中心にゴルフスクールを展開中。
・ホームページ http://www.deepingolf.com
・ツイッター @nobunagagolf