物理を使いこなせば飛びヂカラ増強!第10章 ターン・アップ&フィニッシュ編
ターン・アップでもう一押し!
いよいよフォローからフィニッシュへ!といきたいところですが、クラブが90度ずつ位置を変える、すべてのポジションに着目するのが永井流。フォローでクラブが飛球線と平行になり、そこからフィニッシュへ向かう前に、90度位置を変えたポジションにも要注目。この位置がターン・アップです。
聞き慣れない言葉だと思いますが、ここでのもう一押しが、あなたの飛びヂカラを未知なる高みへと導いてくれます。さて、どんな風にもう一押しを加えるのでしょうか・・・。
「ターン」して「アップ」
おヘソがターゲットに正対する形で腰を「ターン」。そして、フォローで右腕とシャフトが一直線となった状態キープしたまま、クラブを12時の方向へと「アップ」。これがターン・アップの状態です。
しかし、多くの方がこの状態をなかなか意識できず、飛びヂカラアップのもう一押しができていないのです。まず、インパクトまで遡ってご説明しましょう。
理想のインパクトは腕の面が揃うこと
前々回のインパクト編で、お話ししていなかったことを付け加えると、理想のインパクトでは、写真のように両腕で作る面が、ターゲットラインに平行になるように揃います。
そして、フォローでもこの両腕の面が左右に傾くことなくキープされています。このフォローの状態で、クラブヘッドは円運動を維持しようとするので、当然、クラブを上に跳ね上げようとする力が加わってきます。そこに跳ね上げさせまいと拮抗する力を与えるのが、最後のもう一押し。実際それは、どんな感覚なのでしょうか?ヒントはこのフォローの形です。
バレーボールのレシーブ感覚
フォローの形は、どこかバレーボールのレシーブの形に似ていませんか?ターン・アップでのもう一押しの感覚は、まさにバレーのレシーブのような感覚なのです。
フォローからターン・アップにかけて、揃えた前腕で両肘を押し出すように、バレーボールをレシーブし、真上に打上げるような感覚。この感覚が、円を描いて跳ね上がろうとするヘッドの力を抑え、粘るような最後の一押しを与えるのです。
伸びやかで美しいスイングを目指せ
打ちっ放し練習場でいろんな人のスイングを、よく観察してみてください。インパクト後、プロのようにピーンと腕が伸びず、腕を引き込んだり、すぐにピョコンとクラブが跳ね上がってしまう人が目立ちませんか?
フォローからターン・アップにかけて、バレーボールのレシーブ感覚を意識することは、もう一押しの飛距離を獲得できるだけでなく、美しく伸びやかなスイングをも体得することができるのです。
力強くバランスを保ったフィニッシュへ!
ターン・アップでバレーボールのレシーブをしたら、フィニッシュは重量上げ感覚。バーベルを持ち上げたまま左向け左。ポイントは左サイドの軸でキャディバッグを支え、カラダ全体がひとかたまりになってターンすること。全てが連動しないと重さに負けるので、バランスを保ちながらフィニッシュへと向かう感じがよくわかります。
揺るぎない飛びヂカラを!
物理を使いこなして飛びヂカラを増強するための、永井流・10のポジション。いかがでしたでしょうか。各ポジションは、その一部分だけを切り出して、改善することはできません。
あるポジションに問題があれば、その前後一つずつ遡って繋がりを改善する必要があり、さらにはそのもうひとつ前後まで検証していくというようなとらえ方をしてみてください。アドレスからフィニッシュまで、自分のスイングの流れを理解することで、改善点やうまくいっていない箇所が見つかるはずです。
各ポジションでの力感、作用反作用のバランス、入れ替え動作がスムーズな流れとなり、ひとつのスイングとしてボールが打てたなら、きっと揺るぎない飛びヂカラを手にすることができるはずです!
【撮影協力】グッドフィールドゴルフクラブ
■ 永井延宏 プロフィール
1969年埼玉県生まれ。日大桜丘高校ゴルフ部でキャプテンを務め、卒業後に渡米。ミニツアーに参戦しながら最先端ティーチング技術を学ぶ。その後独自のスイング理論を展開し、ツアープロコーチ、アマチュアゴルファー指導をこなす傍ら、雑誌やレッスンDVDなどで活躍。現在は都内のグッドフィールドゴルフクラブ、アナライズ神田スタジオを中心にゴルフスクールを展開中。
・ホームページ http://www.deepingolf.com
・ツイッター @nobunagagolf