シングルへのフィーリング至上主義 第3回 ドライバーを力まず飛ばす音感
ココ一番のドライバーでなぜ力む?
広々としたフェアウェイやドラコンホールなど、思い切って飛ばしたいココ一番の場面で、ドライバーショットをミスる人を多く見かけますよね。
思わず力みすぎたのでしょうか。スイングが速くなってしまったのでしょうか?普段と違った心理的な悪影響が大きく働いたことには間違いありません・・・。
スイングが速かったのでしょうか?
「今のはスイングが速かったよ」と指摘する人がいるかも知れません。しかし、いつもよりももっと飛ばしたい時に、どうすべきかといえば、やはり速く振るしかありません。誤解のないよう正確に言えば、普段よりもヘッドスピードを上げること。
それ以外に、ここぞという時、大きく飛距離をアップさせる方法はありません。速いスイングを試みるのは正解。問題は、力みによってスイングが乱れてしまうことにあります。
まず腕の力みがないことを確認
普段のショットでも腕の力みは禁物。飛ばしたいときほど、無意識に力んでしまわないよう特に用心すべきです。腕がガチガチになれば、手首のコックをしなやかに使えないし、打ち急いだり、体が突っ込んだり、いつものスイングではあり得ないような動きが、誘発されやすくなります。
速く振ることが前提ですが、それは力任せに叩くことではありません。飛ばしたいときほど、腕を力ませずしなかやに。肘を緩めて腕を左右に揺すったり、大きなワッグルなどで腕に力みがないかを確認しましょう。
腕をガチガチにして振ると…
試しに力一杯叩こうと、腕をガチガチにして振ってみてください。速く振ろうと思うほど、腕が力んで棒のようになり、ヘッドがしなやかに走りにくくなります。つまり、速く振っているつもりなのに、肝心のヘッドが加速しないので、飛ばなくなってしまうのです。飛ばしたい!でも、力みたくない・・・。こんな時、どこに意識を持って行けばよいのでしょうか?
意識すべきは風切り音
飛ばしたいときには、力で速く振ろうとせず、まずはスイングの音に意識を集中してみてください。腕をしなやかに使うと、ビューンと風切り音がしますよね。この風切り音が普段よりも大きく鳴らせることだけに、集中するんです。
体の正面でビューンと鳴るように
ワッグルで腕に力みがないことを確かめたら、大きな風切り音がするように素振りしてみましょう。風切り音はコックがリリースされた直後に体の正面でビューンとなるように。普段よりも大きな風切り音が出せればOKです。
力みを生じさせる心理を消し去ることが第一
遠くへ飛ばそうとか、強くボールをヒットしようという意識が働くと、心理的にどうしても力みが生じます。まずはその心理を消すことです。大きな風切り音を出すことだけに意識をフォーカスすれば、力みを生じさせる心理は消え去ります。素振りでその感覚を確かめてから、ココイチのショットに臨んでくださいね!
【撮影協力】エイム ハイ ゴルフスクール
【お知らせ】タイガーの元コーチ、ハンク・ヘイニー氏主催のジュニア大会「IJGTアジアンサーキット日本大会」が8月に静岡で開催!
■ 松本進 プロフィール
スイング分析よりも感覚や心理を重視し、日本のゴルフレッスンに新機軸を与える気鋭のゴルフコーチ。米国でも有数のスポーツ・サイコロジェストであるデビッド・ライト氏と、元タイガー・ウッズのコーチであるハンク・ヘイニー氏から直接学び、双方からの公認を受ける。データを元にプランを立てていく指導法が注目され、現在はツアープロを中心にアマチュアゴルファー、そしてビジネスマンへのコーチングと幅広い指導で活躍中。
主な著書に「なぜ打ちなおしの一打はいいボールが打てるのか(実業之日本社)」、「ゴルフ、あっというまに上達する極意。(ゴルフダイジェスト新書)」、「マインドアンダーパー(幻冬舎)」。