上達ヒントの宝箱

方向性を高める松村道央の練習法

2011/07/01 19:15

300ヤード先のフェアウェイを狙う方向性

2010年はツアー2勝を挙げて賞金ランク5位につけるなど、飛躍の年となった松村道央。平均飛距離289.4ヤードを誇るティショットは大きな武器だが、さらに注目すべきは“トータルドライビング”だ。トータルドライビングとは、ドライビングディスタンスとフェアウェイキープ率をポイント換算して順位づけする部門で、松村は2010年度、全選手中トップに君臨した。つまり飛んで曲がらない選手の代表ということになる。300ヤード先のフェアウェイを狙える方向性は、どんな練習から生まれるのか。トーナメント練習日に本人を直撃した。

※数値、順位はJGTO公式記録。

ラウンド前の練習ではアイアンの方向性をチェック

みなさんは、ラウンド直前の練習をどのようなテーマを持って行っていますか?ウォーミングアップという意味では、体を動かすことだけでも十分ですが、これからコースに出て行くのですから、実践モードでアイアンショットでの方向性を確認しませんか。

目標を決めたら、ボールの30センチ程度前方にスパットという目印を置いて練習をします。アドレスした際、視界に入る位置ならば、もう少し離してもかまいません。ここは芝生の上から打てますので、ティを刺すことができますが、マットの上ならばコインなどを置いてください。

7番で100ヤード程度のハーフショット

実際にボールを打つ際は、フルショットではなく、私の場合はテークバックを肩まで上げるハーフショットで練習します。7番アイアンで100ヤードを目安に、インパクトはしっかりと打ち込みます。目印にしたスパットの上をボールが通過するよう、しっかりと頭を残すことで、ヘッドアップ防止の効果もあります。スタンス、体の向きが目標に向かって平行になっているかを確認しながら打ってください。

上級編はボールを2つ置いて打ちます

これは初心者だけでなく、アベレージゴルファーの方にもオススメはできません。アイアンショットに自信のある方だけ試してください。先ほどのスパットをボールに置き換えて行う練習方法です。トップしてしまうと、前方のボールに当たってしまい周囲に迷惑をかけてしまいます。ポイントはインパクトでグリップを緩めたり、ボールを上げようとしてすくい打ちにならないように気をつけることです。ダフってしまっても、前方のボールに当たってしまいますので。

これをマスターできればアイアン上級者です!

では実際にボールを打ってみます。このとき、アイアンのヘッドはボールの軌道とは異なり、インパクト後はインサイドに入ってきますので、クラブがスパットのボールに当たることはありません。むしろ、先ほどお話ししたように、正確にクラブフェースの芯でボールを捉えないと、ミスヒットになってしまい周囲を危険にさらしますので、十分に注意して打ってくださいね。

■ 松村道央 プロフィール

ツアーデビューの2007年は、安定感抜群のドライバーショットを駆使して出場した7戦すべてを予選突破。同年のチャレンジツアーでは賞金王に輝き、ツアー出場権を手にした2008年はほとんどの試合に出場。安定感は相変わらずで、24戦中、予選落ちはわずか5戦。しかも9月以降は全て予選突破を果たし、余裕を持ちながら初シード権を獲得した。2010年のコカ・コーラ東海クラシックで藤田、兼本をプレーオフで下しツアー初優勝を飾ると、カシオワールドオープンで2勝目を挙げ、賞金ランキング5位と大健闘となる活躍を見せた。