上達ヒントの宝箱

シングルへのフィーリング至上主義 第6回 パッティングは100%の決断で臨め

2011/07/15 12:15

あなたは10センチのパットにどう臨む?

この、わずか10センチのパットで、あなたはどう臨みますか?右に切れるのか、あるいは左に切れるのか、ラインで思い悩んだりしますか?スムーズなストロークができるかどうか、不安がよぎったりしますか?

どう臨むも何も、この距離だったら、まず外すことは考えないですよね。打てば間違いなく入るという、100%絶対的なフィーリングで臨むはず。この100%の感覚をいかなるパッティングでも、強く意識して欲しいのです。それが今回のテーマです。

ラインを読むのに時間をかけ過ぎていませんか?

下りのスライスラインと想定してみましょう。スライスラインのはずだけど、一体どのくらい切れるのか。ターゲットをどこに定めたら良いのか。下りのラインをどのくらいの振り幅で打ったら良いのか。悩み始めたらキリがありませんよね。

正確に読もうとしても悩むばかり

写真のようにクラブを垂直に下げて、傾斜を読むシーンを見かけます。もちろん、ラインを見定めるときには、様々な情報収集が必要です。しかし、もし情報を正確に把握しようとするほど、悩みが深まるばかりだったら、メンタル的にはマイナスに傾いてしまうと思いませんか?

考えれば考えるほど、迷いが生じてしまうのは、パットで意識すべきポイントを誤っているからです。冒頭で、10センチの距離を打つような100%の絶対的感覚が大切だといいました。しかし、ラインを100%読み切ることは不可能ですよね。では、どこに100%の意識を持てば良いのでしょうか?

決断を100%にして臨むべし

ラインを読み切ることをゴールとしているから、パッティングに関する情報収集を数多く重ねるほど、迷いを深める結果になります。しかし、ラインを100%読み切ることはできなくても、自分が100%こうだと決めることはできますよね。

つまり、情報収集はラインを100%読むことではなく、100%の決断をゴールとすべきです。迷いを完全に切り捨て、100%の決断で臨むことが、パットで意識すべき絶対的感覚なのです。

100%の決断がストロークの集中度を高める

プロの試合でも、ショートパットを外しそうなムードが漂っていれば、その通りに外してしまう場面があると思います。迷っている感覚というのは、そういうオーラが人知れず出ているものなのです。

どこかに迷いがあれば、無意識にストロークを乱します。「もしかしたら、もう少し切れるかも」そんな迷いに体が勝手に反応して、ミスヒットを誘うのです。しかし、100%の決断のもとに、パッティングに入れば、よりストロークに集中することが可能となります。

迷いがなかったかいつも自問してください

100%の決断で、一切の迷いなく臨むといっても、なかなか難しいことだと思います。迷いがあったことをはっきり自覚できない場合もあるでしょう。そんな方は、パットを外したときによぎる思いを、振り返ってみてください。

こんな風に外したとき、「あー、真っ直ぐだと思っていたけど、やっぱりフックだったか・・・」と思ったなら、迷いがあった証拠。もし、100%の決断で臨んでいたのなら、そんな風に悔やむことはありませんよね。

100%の決断が自信を深める鍵

まず、100%の決断をすること。そして、そのイメージ通りに打てるようストロークに集中すること。入ったか入らなかったかは別。検証すべきは、自分が下した100%の決断通りに打てたかどうか。

この意識が、迷っては後悔するというマイナスのスパイラルを断ち切り、決断しては検証するというプラスのマインドへと働きます。つまり、100%の決断がパッティングの自信を深める最大の鍵なのです。

【撮影協力】エイム ハイ ゴルフスクール
【お知らせ】タイガーの元コーチ、ハンク・ヘイニー氏主催のジュニア大会「IJGTアジアンサーキット日本大会」が8月に静岡で開催!

■ 松本進 プロフィール

スイング分析よりも感覚や心理を重視し、日本のゴルフレッスンに新機軸を与える気鋭のゴルフコーチ。米国でも有数のスポーツ・サイコロジェストであるデビッド・ライト氏と、元タイガー・ウッズのコーチであるハンク・ヘイニー氏から直接学び、双方からの公認を受ける。データを元にプランを立てていく指導法が注目され、現在はツアープロを中心にアマチュアゴルファー、そしてビジネスマンへのコーチングと幅広い指導で活躍中。
主な著書に「なぜ打ちなおしの一打はいいボールが打てるのか(実業之日本社)」、「ゴルフ、あっというまに上達する極意。(ゴルフダイジェスト新書)」、「マインドアンダーパー(幻冬舎)」。