シングルへのフィーリング至上主義 第7回 スイング作りで目指すべきゴールとは?
あなたの目指すべきスイングは何ですか?
目指すべきスイングとは何かと訊かれて、どう答えますか?打球の方向性が安定したスイングですか?大きな飛距離が稼げるようなスイングですか?それとも、番手通りの距離感が出るようなスイングでしょうか。
こうした理想を実現するために、誰しも美しいスイングを身につけたいと思うはずです。では、あなたが目指すべき美しいスイングとは、具体的にどんなスイングなのでしょう。明快に即答できますか?
プロでもスイングは千差万別
プロのスイングは淀みなく力強くて、とても美しく見えますが、それでも千差万別です。共通すると思われるインパクトの形を見てみても、実際、その形はそれぞれ微妙に異なっているものです。
プロとはいえ、体格も身体的特徴も違う別の人間なので、スイングに差異があって当然。唯一そこに共通するのは、見た目の形ではなく、力の入り方。プロは特にインパクトにおいて、自分にとって最も力が入る体勢でボールを捉えることに長けているのです。
力の入るインパクトを目指せ!
さあ、あなたが目指すべきスイングが見えてきましたか?まず、自分にとって最も力の入るインパクトの体勢を探ること。そして、そのフィーリングでボールを捉えられるようにすること。これが、スイング作りで絶対見失ってはならないゴールとなります。
力の入るインパクトとは?
あなたにとって一番力の入る体勢を探ってみましょう。クラブヘッドを壁や動かないものに押し当てて、飛球線方向にグッと押してみます。全身の力をヘッドの先に集中して、一番力の入るポジションを探っていきましょう。
右足に体重が残った状態で力が入りますか?やはり、右足で蹴り出し、左足に体重がかかっていく状態がよいですか?写真のように、左足のつま先が浮いた方が良いですか?あるいはベタ足がいいですか?
自分に最適なインパクトを詳細に探りましょう
自分を実験台にして、一番力の入る形を細かく試行錯誤してみて下さい。左右のグリップの握り方で一番力の入る形はどうですか?腰は正面を向いているよりも少し開いている方が良いですか?膝はがに股よりも締めた方が良さそうですか?いろいろ試してみて、自分に最適なポジションを探ってください。
力強く押せる力感を体に焼き付けてください
力の入る体勢を探ったら、次は全身の力の入り方。フェースをグッと飛球線方向に押すとき、体のどこに力を入れると、最も力強く押せますか?
腕や腹筋、背筋はどんな風に力を入れたら良いでしょうか?足の筋肉のどこに力を入れて、どんな風に踏ん張ると、力が入りますか?大きな筋肉はどんな感じで捻れていますか?じっくり感じてください。
力強いインパクトの感じをいつも忘れないこと
自分なりの力強いインパクトが分かったら、その体勢や力感でボールを捉えられるようになることを、スイング作りの最終的な目標としましょう。打ちっ放しでは、毎ショットごとに、インパクトの力感を確認しては、実際に打ってみる練習もよし。
クラブがなくても、壁や机のへりで、インパクトの姿勢を確認できるので、その全身の感覚をいつも忘れないようにしてください。その感覚でボールを捉えることを目標にすれば、スイング作りで道を見失ってしまうことは、もうありませんよ!
【撮影協力】エイム ハイ ゴルフスクール
【お知らせ】タイガーの元コーチ、ハンク・ヘイニー氏主催のジュニア大会「IJGTアジアンサーキット日本大会」が8月に静岡で開催!
■ 松本進 プロフィール
スイング分析よりも感覚や心理を重視し、日本のゴルフレッスンに新機軸を与える気鋭のゴルフコーチ。米国でも有数のスポーツ・サイコロジェストであるデビッド・ライト氏と、元タイガー・ウッズのコーチであるハンク・ヘイニー氏から直接学び、双方からの公認を受ける。データを元にプランを立てていく指導法が注目され、現在はツアープロを中心にアマチュアゴルファー、そしてビジネスマンへのコーチングと幅広い指導で活躍中。
主な著書に「なぜ打ちなおしの一打はいいボールが打てるのか(実業之日本社)」、「ゴルフ、あっというまに上達する極意。(ゴルフダイジェスト新書)」、「マインドアンダーパー(幻冬舎)」。