スピード上達!

自分の体を知る7つのフィジカルチェック後編

2011/03/03 10:15

「全然飛ばない」と悩む女性のカラダの問題を解明!

ドライバーが130ヤードしか飛ばないと悩むのは、ゴルフ歴3年の西本さん。ベストスコアは100ジャストで、100切り目前のワクワク感はあるが、さすがにこれだけ飛ばないとちょっと戦意も喪失気味・・・。

今回は、フィジカル、サイエンス、テクニックが三位一体となったコナミスポーツクラブ・ゴルフアカデミーのゴルフ・トリニティメソッドで、フィジカルの問題を解明する後編。いよいよ、飛ばない体の原因に迫ります。

【撮影協力】コナミスポーツクラブ目黒

チェック5 「小さく前へならえ」から腕をどれだけ開けますか?

両肘を腰に付けた「小さく前へならえ」の状態から、前腕を左右に開いてみましょう。これは、肩関節が外側に回る可動域のチェックです。西本さんは、器械体操の経験があり、さすがに体は柔軟。左右の腕が、ほぼ上体と一直線になり合格。今のところ、肩回りの関節はほとんど問題ないと言えます。しかし、ここが硬い人は・・・。

テークバックで右脇が開き、フォローで左肘を抜きがち

実は、前へならえの状態から、ほとんど左右に開かない人もいます。そういう方は、右脇を締めた状態でのテークバックが辛く、どうしても右脇が開き、外からクラブが降りてしまいがち。また、フォローではピンと左腕を伸ばすことができないため、どうしても左肘を曲げてしまうんです。

西本さんも外側からクラブが入り、フォローで左腕が詰まるスイングですが、フィジカルではなくテクニックの問題であるということが、これで、しっかりと切り分けられましたね。

チェック6 股関節を内側に回せますか?

さて、ここからが体重移動や体の捻れに関わるところ。しっかりと右に体重を乗せながら、体を捻ってパワーをためられるかどうかのフィジカルチェックです。飛距離にも大きく関わるところですよ。

まず、写真のようにお尻をついて膝を立てます。そして、腰を回さないようにして、左右の膝だけを交互に内側へ倒してみましょう。うーん、どうも西本さんは左膝に比べて、右膝が倒れにくいですね・・・。つまり、スイングで右の股関節がうまく使えないと思われます。

右の股関節が固いと捻るパワーがダウン

テークバックでは、写真のようにアドレス時の右膝を動かさないようにすることで、体重を右にシフトしつつ、体を捻るパワーをためていきます。しかし、右の股関節が固いと、腰を回しながら、右膝の位置をキープするのが難しくなるんです。そして、右の股関節にうまく体重を乗せられず、腰といっしょに膝が動いてしまい、捻る力もたまりません。飛距離が伸びない、フィジカルの原因が一つみつかりましたね。

チェック7 スイングでは外側の腹筋が重要です

いよいよ最後のチェックです。まず、仰向けになって両膝を立てます。そして、両膝をくっつけた状態で左右に倒していきます。このとき、注意するのは腰が浮かないようにすること。左に倒すときには、右腰が浮かないように。右に倒すときには左腰が浮かないようにするのがポイントです。

西本さんは、やや右の腹斜筋が硬いようです。左に両膝を倒すときに、どうしても右腰が浮いてしまいますよね。腹斜筋は肋骨の外側からお腹の中心へと、斜めに走っている筋肉ですが、この右側が硬いということは・・・。

テークバックで体を捻りにくい

テークバックはいわば、先ほどのように仰向けになって左に両膝を倒すように、体が捻れる動きです。そして、右の腹斜筋が伸びた状態になります。つまり、ここが硬いとテークバックで、体を十分に捻りにくいと考えられます。パワーがたまりにくい上に、クラブが外から入りやすいといえます。

次回は、こうしたフィジカルの問題を克服するエクササイズをご紹介しつつ、スイングの分析をしていきましょう。

■ 藤澤伸一インストラクター プロフィール

1984年生まれ、東京都出身。駒澤大学ゴルフ部を経て、現在コナミスポーツクラブ荻窪南口勤務。その人の悩みの原因を、素早く見つけるのが得意。そんなレッスンを通じて、ゴルフの楽しさを伝えることが一番のやりがい。