スピード上達!

飛距離不足をフィジカル&サイエンスで解消! 前編

2011/03/10 10:30

ドライバーは130ヤード・・・。飛ばない原因総チェック

男性と比べて非力なはずの女子プロは、どうして飛ばすことができるのでしょうか?それは、自分が出せる最大限のパワーを引き出しつつ、最小限のパワーロスで効率的に力を伝えているからです。

ドライバーの飛距離が130ヤード前後という西本さんですが、飛ばない問題を、フィジカルとサイエンスの両面から解消していきましょう。

【撮影協力】コナミスポーツクラブ目黒

右股関節の柔軟性がパワーをためる鍵

前回のフィジカルチェックでは、右股関節を内側に捻る動作が硬いことが分かりましたよね。テークバックでは、アドレスでの右膝の位置をキープしつつ、腰を捻ることでスイングのパワーを蓄えます。

右股関節が内側に回りにくい人は、脚と腰の捻転差が少なくなります。そして、テークバックで体重を右サイドに乗せきれなかったり、右膝の位置をキープできず腰といっしょに回ってしまい、捻れが生じないんです。

このエクササイズで股関節を柔軟に!

右股関節が硬い西本さんにオススメしたのは、股関節の内旋エクササイズ。これで、左右の股関節を内側に回すための柔軟性を高めます。

まず、脚を肩幅に開き、軽く膝を曲げて立ちます。そして、顔を正面にキープしつつ、右足に体重をかけながら、右へ上半身を捻ります。左に捻る際も同様です。これを左右交互に繰り返しましょう。捻る方向にしっかりと体重をかけることと、回す方向の膝が伸びてしまわないように注意してください。

プロとは真逆のスイングプレーンです

今度は、サイエンスの視点からスイングの問題を追ってみましょう。スイングプレーンの計測データによると、西本さんはアウトサイドインのダウンブロー軌道。つまり、ダウンスイングでは外からクラブが降りてきて、クラブヘッドが下降する途中でインパクトを迎えているということです。

しかし、ドライバーの理想的なスイング軌道は、ストレートまたはインサイドアウトのアッパー軌道です。ツアーの第一線で活躍しているプロ選手は、この表では皆、右上のゾーンに位置しているんです。一方、西本さんはプロのスイングプレーンとは真逆になってますね・・・。

外からクラブが降りてくる状態とは・・・?

がっかりすることはありませんよ。実は、多くのアベレージゴルファーがアウトサイドインの軌道なんです。では、アウトサイドインとは、具体的にどんな状態なのでしょうか?

まず、アドレス時のシャフトの延長線を引き、さらに首の付け根とクラブヘッドのネックを結んだ線を引きます。このV字の間にクラブが降りてくるのが理想。上の線よりも上からクラブが入ればアウトサイドイン。下の線よりも下から入れば、インサイドアウトの軌道となります。

西本さんは、写真のように、上の線の上からクラブが降りてきてますよね。アウトサイドインの軌道だと、フェースが開いた状態でインパクトしやすく、スライスが多くなり、ボールに十分なパワーを伝えにくいと言えます。

テークバックでフェースを開かせないこと!

アウトサイドイン軌道の一因は、テークバックでフェースが開いてしまうこと。開いてしまったフェースは、ダウンスイングで元に戻さないと当たらないので、外からクラブを降ろすことでフェースを戻すといった癖がついてしまうんです。

まず、腰までのテークバックで見逃せないチェックポイントがあります。ここでは、フェースと上半身が平行となるのが理想。しかし、西本さんはこれが平行ではなく、フェース面がやや左へ回っている状態です。もうすでにフェースが開いてしまっているんですね。

左手の甲が上を向かないように

腰までのテークバックで、フェースが開かないようにするために、左手の甲の向きを意識してください。ここで、フェースが開いてしまう人は、左手の甲が上を向いてしまっているはずですよ。

フェースと前傾角度を平行にすれば、左手の甲は写真のように、斜め下を向いていますよね。腰まで上げた状態で、フェースの向きをチェックし、その時の左手の甲の向きを体で覚えましょう。

次回はアウトサイドイン軌道を解消するためのテクニックをさらに詳しく解説します!

■ 藤澤伸一インストラクター プロフィール

1984年生まれ、東京都出身。駒澤大学ゴルフ部を経て、現在コナミスポーツクラブ荻窪南口勤務。その人の悩みの原因を、素早く見つけるのが得意。そんなレッスンを通じて、ゴルフの楽しさを伝えることが一番のやりがい。