スピード上達!

飛距離不足をフィジカル&サイエンスで解消! 後編

2011/03/24 10:15

ボールを挟んで理想のテークバックに!

腰までクラブを上げたハーフウェーバックでは、シャフトが飛球線と平行になり、クラブフェースは前傾角度と平行になることが理想。これは前回お話した通りです。

正しいハーフウェーバックを目で確認する他に、ボールを挟んだ練習方法もあります。このように前腕にボールを挟むだけです。どんな効果があるかというと・・・。

【撮影協力】コナミスポーツクラブ目黒

上半身、腕、クラブの一体感を養います

理想的なスイングでは、常にクラブヘッドが上半身の正面にあるんです。アドレスでセットした上半身、腕、クラブの形が、そのまま一体となって動けば、いつもヘッドは体の正面にあるはずですよね。

ボールを挟めば、その一体感を崩さず、体の回転でスイングする感覚が体感できますよ。ボールを挟んでいれば、ハーフウェーバックでも、特に意識することなく、正しいポジションに上がります。

アドレスでは左腕が上に見えること

もう一つ、正しいテークバックのためのアドレスでの注意点があります。西本さんのアドレスを後方から見ると、左腕が右腕で隠れてしまっています。右腕のグリップの方が体から遠い位置にあるので、これだと右肩が前に出て、肩のラインが開いてしまうんです。

肩のラインが開くと、テークバックで外側に上がりやすく、ダウンスイングも外から入りやすくなるんです。ですから、後方から見たアドレスでは、右肘を軽く曲げて、左腕が見えるくらいにすると、肩のラインが開くのを避けられますよ。

右膝が伸びるとクロスしがち

西本さんのトップを見ると、シャフトが飛球線方向よりも右を向いて、いわゆるクロスした状態になっています。一つの原因はテークバックで右膝が伸びた状態になって、右に体重が乗り切らず、左に残ったままさらに回そうとするからです。

前回もお話ししましたが、アドレスの時の右膝の位置を変えず、右の股関節を捻ってしっかりと右に体重を乗せることが大切です。といっても、西本さんの体の特徴は右の股関節が固いことでしたね・・・。

右膝をキープして回せるところまで

右の股関節が固いので、膝と腰がいっしょに回ってしまうのが、西本さんのパワーロスの一因。右膝の位置をキープして、自分が捻れるところまでで構いません。ただし、右膝を動かさないよう踏ん張るようにしてくださいね。

前回ご紹介した右股関節の内旋のエクササイズをすれば、下半身を捻るパワーがついてくると思います。

トップで左手首を折らないこと

トップでクロスしてしまう、もう一つの原因は、トップで左手首が甲側に折れてしまうこと。そうなると、フェースが大きく開いてしまい、外から降ろさないとフェースを戻しづらくなるんです。

回したりない感じがあると、右膝を伸ばしたり、左手首を折ったり、さらにはトップで逆体重になったりします。これでは体を回しているだけで、捻る力はたまりません。大きく回さなくて良いですから、自分が捻れるところまで捻って、そのパワーをためるようにしてください。

飛距離が約15ヤードアップ!

テークバックでフェースが開かないように気を付けながら、自分ができる範囲で、体をしっかりと捻ることを意識しただけで、飛距離は15ヤードもアップし144ヤードに。でも、ヘッドスピードは30m/s前後ですから、十分にパワーを伝えられれば、180ヤードくらいは飛ばせる力を持っているはずです。右の股関節を柔軟にして、これまでの注意点を意識すれば、まだまだ飛距離は伸びますよ!

■ 藤澤伸一インストラクター プロフィール

1984年生まれ、東京都出身。駒澤大学ゴルフ部を経て、現在コナミスポーツクラブ荻窪南口勤務。その人の悩みの原因を、素早く見つけるのが得意。そんなレッスンを通じて、ゴルフの楽しさを伝えることが一番のやりがい。