スピード上達!

飛ばないのはテクニックの問題だけですか?

2011/04/07 10:15

「どこでパワーをロスしてしまうのでしょうか?」

「ゴルフを始めて3年で80台を出せたので、ゴルフにはそれなりの自信があります。でも、レディスティからではちょっと不満。男性と同じように飛ばしてレギュラーティから同じ条件でラウンドしたいんです。パワーロスの原因を知りたいですね」(佐々木さん、ゴルフ歴3年、ベストスコア87)

【撮影協力】コナミスポーツクラブ目黒

捻るパワーがたまっていませんね

トップを見ると、クラブが飛球線よりも大きく右に出て、クロスしている状態ですね。飛ばそうという意識から、トップでできるだけ体を大きく回そうとしていると思いますが、これでは回っているだけで、捻るパワーがたまらないのです。

まず、クラブを大きく回そうとして、右脇が開き、肘が上がるようなトップはNG。体重が右に乗り切らず、左に残る形になりがちです。右脇を締めた状態をキープした形で、しっかりと体を捻ることが大切なのですが、実はフィジカル的に困難な人もいるんです。まずは、それをチェックしてみましょう。

小さく前へならえから前腕を開いてみましょう

両肘を腰につけて、小さく前へならえの状態から、両肘を腰から離さずに、前腕だけを左右に広げてみてください。体と平行くらいに広げられれば問題なし。

うーん、やはり佐々木さんはその動作が苦手みたいですね。これによって、肩関節が外側に回る可動域が狭いことが分かります。そういう人は・・・。

テークバックで右脇を締めるのがキツイ

テークバックは、両脇を締めた状態でクラブを上体の正面にキープしながら、下半身を踏ん張り、それ以上回らないところまで体を捻ればOK。この捻転差がパワーをためる秘訣です。写真の形まで捻ったら、あとは右肘を体の方向に少し畳めば、もうトップは完了です。

しかし、肩関節を外側に回す動作が苦手な佐々木さんの場合、右脇を締めた状態をキープするのが、とってもツライと思いますよ。それがツラくなると・・・。

どうしても右脇が開いてしまう

右脇を締めた状態だと体を捻りにくいので、どうしても右脇が開いて、肘が浮き上がったフライングエルボーになります。そして、腕だけで担ぎ上げるようにして余計に回そうとするので、クラブがクロスしてしまうんです。また、左肩も同様に外側に回りにくいので・・・

インパクトでは左肘を引きやすい

一方、インパクトではその逆。インパクトからフォローにかけては、左肩が外側に回る動きになります。左腕をピンと伸ばした状態が理想ですが、それがキツイために、左肘を後方に引いてしまいがちになります。

テクニックとしては両脇を締めて体の正面にクラブをキープするのが理想、とはいっても、肩関節の動きに問題があれば、それを身につけることがそもそも困難なのです。テクニックの問題ではなく、体の問題だったことが明らかになりましたね。

肩関節を外側に回すエクササイズ

肩関節を外側に回すのが苦手な人は、写真のように、壁などに右手を掛けて、腰に肘を付けたまま上体を左に捻るようにして、右肩の可動域を広げます。左肩も同様に行います。

毎日、左右10回程度で構わないので、このエクササイズを続けてください。正しいテークバックができれば、飛距離がアップし方向性も安定してくるはずです。

■ 藤澤伸一インストラクター プロフィール

1984年生まれ、東京都出身。駒澤大学ゴルフ部を経て、現在コナミスポーツクラブ荻窪南口勤務。その人の悩みの原因を、素早く見つけるのが得意。そんなレッスンを通じて、ゴルフの楽しさを伝えることが一番のやりがい。