スピード上達!

飛距離UPの集中治療現場・潜入レポート(3)

2011/08/04 10:15

「フィジカルで鍛えるべきところは?」

「フェースが大きく開くようなグリップになっていたこと。そして、テークバックで右足が流れて、しっかり受け止めていなかったこと。スライスが軽減されてくれば、きっと飛距離は伸びてくると思いますが、他にフィジカルで鍛えるべきところはありますか?」(野田さん、ゴルフ歴10年、ベスト86)

その前に再度グリップをチェック!

飛距離をアップするトレーニングをご紹介する前に、もう一度、グリップを確認してみましょう。なんだか、最初のグリップに戻っていませんか?左手の2つのナックルが見えるくらいに握ったら、右手は左の手のひらと向き合うように、少し下から握る感じが理想でしたよね。

グリップの癖は、修正した後しばらくは、セットアップで毎回意識していないと、すぐに戻ってしまうものです。普段の練習でも、まずはグリップのチェックを徹底してください。

そして右足を踏ん張ること

もう一つ、おさらいです。バランスディスクに右足のカカトを乗せた時の感じを思い出して、アドレス時の右膝の位置を変えないようにテークバック。

以前のトップを見てください。右足で踏ん張っていないため右膝が伸び、トップでクラブが回りすぎて、大きくクロスしていました。体が大きく回る割には、上半身と下半身の捻れるパワーがたまっていなかったんですね。

体幹を徹底的に鍛えましょう

この大きなバランスボールの上で、膝立ちしてバランスをとってみてください。おっとっと、この状態でバランスを取るのはちょっと厳しそうですね。

体幹の筋肉をうまく使えていないようです。スイングを安定させるには、この体幹の筋肉を鍛えてバランスを保つことも大切です。バランスボールを使うと、意識してトレーニングしづらい体幹を鍛えることができるのです

今度は膝立ちしたまま上半身をスイング

今度はもっと難しいですよ。バランスボールで膝立ちしたまま、クラブを振るように上半身をスイングするんです。

体幹がしっかりしていないと、いかにバランスを崩しやすいかが実感できるはずです。下半身でしっかりと踏ん張り、体を捻るパワーを十分にためつつ、体幹を使ってバランスを保つことが、飛距離アップの土台となります。是非、この方法で体幹を鍛えてください。

インサイドアッパーが理想

ドライバーで効率的にボールを飛ばすための、理想的なスイング軌道は、インサイドアウトのアッパー軌道です。つまり、グラフにするとAの位置。

しかし、数球打っただけでも、かなりのバラ付きが目立ちました。テークバックで開いてしまったフェースを、無理矢理戻そうとすれば、クラブはアウトサイドから入りやすくなります。下半身で踏ん張りきれず、左右にブレれば最下点が狂い、安定したアッパーブローで打つことも困難。下半身と体幹をしっかり鍛えてください。

ヘッドスピードが上昇、飛距離もアップ!

グリップと右膝に注意したことで、以前よりも体を大きく回していないにもかかわらず、ヘッドスピードは約38m/sに上がりました。テークバックで正しく捻ることが飛距離アップの要だということが実感できたはずです。

飛距離も20ヤード近く伸びました。グリップを意識することでフェースをスクエアにキープできるようになり、スライスが軽減されたからです。

今回ご紹介してきた方法で、下半身と体幹を鍛えれば、まだまだ飛距離を伸ばす余地はあります。頑張って、練習に励んでください!

■ 小松慎之 インストラクター プロフィール

1977年生まれ。コナミスポーツクラブ府中勤務。14歳からゴルフを始めてゴルフのキャリアは20年。バージニア工科大学で運動生理学を学び、スポーツ全般のトレーニング知識が豊富。その経験を活かし、個人個人のフィジカル的な特徴を的確に捉えたレッスンが持ち味。