スピード上達!

飛距離UPの集中治療現場・潜入レポート(6)

2011/09/08 11:00

カット打ち撲滅の総仕上げ

「長年、アウトサイドインのカット打ちが染み付いていましたが、テークバックに注意することと、体幹の筋肉を鍛えることで、脱出の糸口が見えてきました。他に、アウトサイドインを撲滅するドリルなどがあれば教えて欲しいです!」(向井さん、ゴルフ歴15年)

Vゾーン内に降りてくるようになりました

向井さんは、テークバックで外側に引く癖があったので、ダウンスイングも外から降りてきやすくなっていました。ダウンスイングは、テークバックの軌道を辿ろうとするからです。

ダウンスイングをインから降ろそうと意識しても、思うようには行きませんが、テークバックに意識を向けることで、自然にダウンスイングがインサイドに下りてきたことが見て取れます。クラブがVゾーン内に降りてくるようになりましたよ。

右手1本のドリルでアウトサイドインを完全撲滅!

今度は、右手1本でのスイングドリルで、さらにアウトサイドイン撲滅の感覚を掴みましょう。右手1本でスイングすると、アウトから降ろすのは至難の業。その時の自然な腕の使い方を体感してください。

右手1本だと、テークバックも今までの外へ上げる感覚では、重くてなかなか上手くいきませんよね。外側に上げようとすれば、グリップが体から離れてうまく持ち上げることができないからです。グリップと体の距離を変えないようにして上げないと、うまく上げられませんよね。これが、腕と体を一体にして上げる感覚です。

ヘッドの重みで腕が自然に動く

さらに、ダウンスイングではヘッドの重みによって、グリップは自然に体の近くを通るようになります。ダウンスイングはヘッドの重みに任せて、ヘッドが自然に落ちるような感じを実感できるはずです。

インパクトで手先が浮いたりすることなく、肘は体の近くを通っています。右手1本で振ると、上げた軌道をそのまま辿るように降りてくる感覚がより実感できると思います。

脇を締めることを強く意識する必要はありません

「テークバックで脇を締めなさい!」というのがレッスンの通例ですが、それを強く意識しずぎるのも、実は考えものです。腕と上半身を一体にしてスイングするための教えですが、たとえ、脇を締めていても、外へテークバックしていれば、クラブは外から降りてきますよ。

ですから、脇を締めようとか、あまり意識せず、ヘッドの重みを感じながら、上げたところに自然にクラブが降りてきて、グリップが体の近くを通る感覚に集中しましょう。

インから降りてくれば気持ちよく振り抜けます

外からクラブが降りてくれば、気持ちよく振り抜けた感じがしないものです。インパクトからフォローにかけて、腕の通り道が詰まってしまうからです。フォローで左肘を曲げてしまったり、気持ち悪い感じが残りますよね。

右手1本のスイングの感覚で振れば、自然にインサイドからクラブが降りてきて、腕が詰まることなく、スムーズに振り抜きやすくなります。腰の回転を止めずに、フィニッシュまで一気に振り抜きましょう。

掴まったインパクトで飛距離アップ!!

アウトサイドインから降りてきて、擦っていたインパクトがピンクの弾道。それに対して、今回のレッスンを意識した弾道の違いは歴然ですよね。まだ、アウトサイドインの癖が残っている分、ややボールは左に飛び出しますが、しっかりと掴まった球になりました。

カット打ちのパワーロスが激減したので、ヘッドスピードは変わらなくても、飛距離は20~30ヤード近くアップしました。テークバックの方向に気をつけること。右手打ちドリルを積み重ねること。そして、バランスボールを使った体幹の筋肉をトレーニングすることで、弾道はグングン良くなるはずです。白ティーからの90台だって、すぐに実現できますよ!

■ 小松慎之 インストラクター プロフィール

1977年生まれ。コナミスポーツクラブ府中勤務。14歳からゴルフを始めてゴルフのキャリアは20年。バージニア工科大学で運動生理学を学び、スポーツ全般のトレーニング知識が豊富。その経験を活かし、個人個人のフィジカル的な特徴を的確に捉えたレッスンが持ち味。