スライスの洗礼から、いかに脱却するか?(1)
スライスの洗礼から抜け出せていますか?
ゴルフを始めてすぐに、掴まったドローボールを打てる人はとっても希です。まず、ほとんどの人がスライスの洗礼を受けます。そこからすぐに脱却できる人と、何年も何年もずっと変わらないまま悪い癖をどんどん上塗りしてしまう人・・・。その違いは一体何のでしょうか。
今回は、ゴルフ暦2年半で、スライスの洗礼から抜け出せない超典型的なスライサーのスイングを、細かく分析しつつ、そこからいち早く脱却する道を探っていきましょう。(受講者・西川さん、ゴルフ暦2年半、ベストスコア106)
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【撮影協力】コナミスポーツクラブ目黒
野球のバットとゴルフクラブの違い
まず、スライサーの方に改めて自覚して欲しいことは、野球のバットとゴルフクラブの違いについてです。ご覧のように、ゴルフクラブはバットと違って、打点がグリップの延長線上にはありません。そして、重心もシャフトの中心になく、後方にズレているため、どのようなことが起こるかというと・・・
フェースは開きやすいものだと自覚してください
このように、手のひらにクラブシャフトを乗せると、ヘッドは開く方向に回転してしまいます。つまり何も考えずに、野球のバットのようにテークバックすると、フェースはこの力によって、勝手に開いてしまうものなのです。
ゴルフの初心者が、スライスの洗礼を避けて通れないのは、ゴルフクラブがそもそも開きやすいということを、自覚していないからです。野球感覚で振っているスライサーのテークバックは、ほとんど次のようなものとなります。
ハーフバックでフェースが大きく開いてしまう
クラブフェースは開く方向に回ろうとするので、何も考えずに上げると、ハーフバックでフェースが大きく開いてしまいます。典型的なスライサーは、このように左手の甲が上を向くような形で上げてしまう人がほとんどなんですね。この時点で、これだけ大きく開いてしまうと、ダウンスイングでスクエアに戻すは厄介です。それを放っておくと・・・
外から降ろすようなスイングになっていきます
アドレス時の首とボールを結んだラインと、シャフトのラインの2つのラインをVゾーンといいます。この2つのラインの中間にシャフトが降りてくるのが理想ですが、典型的なスライサーの方は、このVゾーンの上からクラブが降りていきます。
そうなってしまうのは、テークバックで開いたフェースが戻りきらなず、どうやっても右に行ってしまうので、クラブを外から降ろすことで、フェースを無理矢理に戻そうとして、こんな癖がついてしまうんですね。スライスの洗礼を受けたまま、なんとか我流で右に行かせまいと奮闘した結果、必ずこのようなアウトサイドインの軌道に陥ります。さて、どこから直していきましょうか?
まずは開きにくいグリップにすること
真っ先に確認して欲しいのはグリップ。写真のように左手の甲がターゲット方向に向いたグリップをしているなら、テークバックで左手の甲が上を向くように回転しやすくなり、クラブの開こうとする力も加わって、フェースが簡単に開きやすくなります。まずは、そこから改善していきましょう。
左グリップの親指のV字が右肩を指すようにセット
ポイントは左手の人差し指と親指の作るV字が、自分の右肩を指すように握ること。こうやって握ると、予め左手首が右方向に回っている状態になるので、テークバックでそれ以上グリップが開く方向に回りにくくなります。
グリップを変えるのは、とても違和感を感じるものですが、まずはこのグリップに慣れてくださいね。ここがスライスの洗礼から脱却するスタート地点。次回から、これまで染み付いてきたスイングの癖を、一つ一つ解きほぐしていきましょう!
■ 藤澤伸一インストラクター プロフィール
1984年生まれ、東京都出身。駒澤大学ゴルフ部を経て、現在コナミスポーツクラブ荻窪南口勤務。その人の悩みの原因を、素早く見つけるのが得意。そんなレッスンを通じて、ゴルフの楽しさを伝えることが一番のやりがい。